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ガッキィファイター最新号は5月13日に発行されました。

今週の目次 第599号(5月13日)

■■■■総特集 多くの謎を解き諸大国の現在を間違えぬための現地視察ーーメモの技術を兼ねてーー■■■■

■目次■
 ◆【アルメニア 初日】あの大地震と戦争から
 ◆【ジョージア最終日(アルメニア3日後に再びジョージア)】アルメニアへ
 ◆【国境越え】 徒歩でアルメニアへ
 ◆【グルジア 第3日目】
 ◆【ジョージア(グルジア)にてーー2日目】
 ◆【グルジア2日目(1泊後)】
 ◆【アゼルバイジャンにて】
 ◆【「生きる旅へ」のための】
 ◆【ツアーの魅力】
 ◆【家族】





■■新連載 生きる旅へ■■

★明日からコーカサス3カ国に行く技術★━━━━━━━━━━━━━━★

 20世紀に英雄から大量殺戮(さつりく)者となり、21世紀に再び注目されている「歴史を変えた」人々に、スターリン、金日成、朴正煕、トルーマン、毛沢東(けざわあずま、と読んだ我が学生時代の後輩がいた)、ヒトラーらがいる。
 彼らを全肯定する教師は一人でもいなかったが、例外なく教師がヒトラーを全否定したことに、幼い私は疑問を拭えなかった。彼らは選ばれたのである。悪「だけ」の為政者など実在しうるものなのだろうか?
 この半世紀、幼いころからの私の大きなテーマの一つに、「国境」、「資本主義再三の危機」、「社会主義諸国の連鎖と崩壊」、「世紀を代表するリーダー」、「善と悪の研究」、「使えぬゆえに保持が有意味な大量殺戮兵器」、「戦争に負ける、または勝つということ」などが一貫してあった。
 30年間で1,000回を超える「世界への旅」は、常に何か明確な取材目的は必ずあったものの、底辺に流れる大テーマはそうしたものであるがゆえに、長い(長すぎる)思考と現地での定点観測が要った。数冊の本や1回の取材で「分かる」ひとは天才か、虚無なプライドだけもったひどい愚鈍だろう。「分かる」とは何か?
 すべての疑問の底には必ずその問い「分かったのか」がついてまわる。教科書のレベルでないことは疑いがない。自分の言葉で、その周辺との歴史的政治的経済的イデオロギー的な関連を深く独自に解釈できた、くらいかな。
 映画「ローマの休日」を知らないと答えた人とはまだ邂逅(かいこう)していないが、「はかない恋心」のすべてが凝縮したこの名作を観たことがない人口は確実に増えているのだろう。教養とは世代間の知的ギャップを自覚的に埋める人間にしかできぬ営為なのだからーー。映画「カサブランカ」の無知はすでに大勢いた。自慢(まさかね)にとられると困るというか呆れるわけだが、貧しい家庭に育った私は20歳までにローマには3回(いままでには100回を超える)、カサブランカには19歳のとき初めて行った。
 同じ19歳で観て「分からなかった」初めての映画「アラビアのロレンス」は、アラビアを何十回も旅して「それなりに」理解できたといいうる自覚に加えて、まったく偶然の機会(270kmサハラマラソン参加のため、ありとあらゆるサハラ砂漠映像を"研究"する機会)をえた。
 私はストイックでも努力家でもないが(当社比)、独自の徹底的な謎解きは死ぬほど好きだ、とは思う。
 旅で何度も死にかけたのも事実だーー。

 しかし、海外に出かけるときに「不安」や、まして「怖い」と思ったことは1度もない。
 先ほど30年で1,000回を超える、といった。1年で33回ほどの計算になる。成田か羽田発は年間最低12回を続けたもののーーいまの文筆業に就いて「いいもの」を書き続けているかどうかの"評価"は読者や他人にしかできない(自己満足はできるのだろう)が、リスペクトする諸先輩諸先達が読んだ量、現地を訪れた頻度などでまで劣るわけにはいかないよね。
 この1年間は要介護3から2になる過程ですら、韓国16回、米国1回、中国1回、北朝鮮1回、フィリピン1回、カタール1回、グルジア1回、アルメニア1回、アゼルバイジャン1回(カタール以降は明日から)、今月は韓国2回など、7月はウズベキスタン、イスラエル、トルコetc.を予定している。
 私は、カタール経由のコーカサスへの旅が、怖い。初めて大きな不安を感じている。1カ月半前から、コーカサスへの旅をかなり詳細に、というより小心な迷いを重ねてきて「不安」は募るばかりなのだ。

 障害者(後遺症が重い)になっている自覚は無論ある。一昨日の夜、リハビリ開始後、初めて(!)近くのコンビニに自宅から出かけたほど重症なのだよ。
 子と手をつないで歩く幸せは、親をしている、または子育てをしたことのある方にはほぼ「分かる」でしょ?
 そうなるまでに2年半が、かかったのだ。子は(私の入院時)生後6カ月から現在3歳になったばかり。保育園の送迎をするようになったのも、行きたいところに行きたい、との思いが強くある。
 車椅子から立ち上がったのが、2年前。顔面や頭部から足の裏まで、見事に(?)麻痺しており、歩き方もなにもかも「分からなく」なって、初めて自分たちの多くは指を動かすことや、歩くことや、食べる作業をほとんど無意識にできていたことを思い知る。多くの親しい人が去って行き、無数の差別を日々体験しつつも、変わらぬつきあいをしてくれている友人たちもいる。ありがたいと心から思う。
 どちらも自然なことなのだろう。大半は自分のことで精一杯だったり、旅など自由な時間とそれなりの資金を得るーーなどはありえない自称「社畜」はなかなか減らない。私が個人コンサル(アドバイス)をして自由になった人たちは無数にいる。でもさ、健康優良児を経てタフガイを続けてきてさえ、何が起きるか「分からない」のも、また人生ーー。
 グアム島で1週間のスポーツ合宿中に脳梗塞発症をした2年半前の11月25日までは、その直前にシリアと周辺を1カ月に亘り360度を見て歩き、その前はアフリカ、またシリコンバレーと(昨年の秋から研究員がほぼ決定になる)スタンフォード大学などへ遊びに行ったついでに100万ドルあまりがたまっているラスベガスで"仕事"をし、その前の春はミャンマー(ビルマ)でビル1棟を購入するなどして遊んでいる間にハマダラ蚊に刺され、一時帰国した日本でのコンペや単行本の仕上げや講演やセミナーなどをこなした。
 ケニアで最高の医療スタッフ8人を雇用して「3週間型マラリア」と闘い完勝、のちに短期間、肝臓をやられた時期(アル中とかではなくて、マラリアの後遺症と思える黄疸)もあり、さらに3日(!)で完治した(外に出ていた)初の結石体験ーー。これほど悪しき連鎖はもう続くまいと考えるのは、もちろん根拠がない。18歳から体重と体型、さらに体脂肪8%維持も、身体年齢(タニタなど調べ)24歳もキープなど、結果的にくそくらえであった。

 カルフォルニア州とネバダ州、北朝鮮や韓国など、まあ簡単にいえば、タクシーやハイヤーと飛行機ばかりで、歩くのはホテル内とカジノ内くらい。
 軍事トンネル(北朝鮮が北からソウルまでの一気に侵略するための、これまで見つかった4本の軍事トンネル)のうち、日本共産党が「大衆運動」として行政からの物取り主義を遺憾なく発揮し松代大本営の「13kmすべて自由に見学」できる事態を「700mのみ行政が改造して管理」へとさせる道にしてはいけないとの私の主張をなんと「反共野郎作家の思い過ごし」がその通りになり、最悪の見学コースに変えた愚党に似て、北朝鮮からソウルに掘られていた第3トンネルだけは「綺麗に」整備され、すっかり様変わりしてしまった。
 それ以外の軍事トンネルを国連兵の案内で潜った体験は、私の身体を目覚めさせるにも好き試みとなった。
 コロコロつきのプラダ(搭乗前のチェックインカウンターで預ける)と手荷物(小型リュック)は、空港では車椅子のアテンドつき、自室以外では杖なしに歩行できない身には、かなり微細かつ多数の工夫が要る。
 イランと隣接するアルメニアにも、またモスクワとは比較にならぬ貧困国ジョージア(グルジア)は3度目とはいえ、さらにイスラム圏のアゼルバイジャンは食事も大変ではあり、まだ嚥下(えんげ)や「喉が乾く」ことができない身には脱水症状はいつでも起きる。世界遺産を9つも見せてもらうのも、夜が冷え込むエリアであることも、停電は珍しくなく、Wi-Fiその他は荷物と、リハビリには皆無な酷い実践をひたすら増やす。

 しかし旅は、生きるために、書くために。もちろん死の覚悟は充分にできているーー。

 レーニン(この「ガッキィファイター」読者に「それ誰?」はないとして)は、とにもかくにも100年前に世界を変え、1922年5月25日に脳梗塞で亡くなった。グルジアには8年前まで確かにあったスターリン(スターリンはグルジア生まれ)像は倒されたとはいえ、毛沢東の復権ほどではないにせよ、スターリン賛美の声は増えている。1953年3月5日にスターリンも脳梗塞で死んだ。嗚呼、ノウコウソク!
 スターリンが後継にならず「彼」になっていたら、と願われるトロツキーはメキシコでピッケルを頭部から突き刺され、スターリンの密命で暗殺された(アランドロン主演の映画になっている)。実際にはトロツキーなら良かったかは検証不能だ。が、スターリンが己の恐怖からトンデモない粛清をし続けたのは疑いない。
 私は20世紀を悪い方向に舵を切ったスターリンと毛沢東、トルーマンらの卑劣な共犯で作られた冷戦を、しっかり「分かり」たいーー。
(このあたりはもう少し、出発前に続く)

 

           
第598-3号(5月8日) 第577-3号(8月26日)  

 

 

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