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定説だってウソだらけ

teisetsu160.jpg 定説だってウソだらけ
WAC
定価:857円(税別)


食べ物を巡るウソ・ホントについて目から鱗が......。池田清彦氏の「恐怖を煽ってはいけない」は今こそ読んでいただきたい一章です。


本書は全国の書店またはamazonなどのネット書店でお求めください




目 次

まえがき

第1話 食べ物をめぐるウソとホント   武田邦彦氏×日垣隆

 とても危険な生ゴミ
 残飯は土に優しい!?
 「臭いものにはフタ」
 鳥インフルエンザは怖くない
 BSEは本当に怖いのか
 大失敗したBSE感染実験
 納豆ダイエットのインチキ
 DDTは「悪魔の粉」か
 氷が解けても水面はそのまま


 第2話 渋滞の謎を解く   西成活裕氏×日垣隆

 高速道路が渋滞する理由
 犯人は一メートルの上り坂
 一本のポールが渋滞を解消
 渋滞をなくす"天の声"
 羽田空港の陣取り合戦
 アリの渋滞解消術
 通勤ラッシュの限界
 整列乗車は危ない
 初売りの混雑解消法
 お金も体も渋滞する!


 第3話 恐怖を煽ってはいけない   池田清彦氏×日垣隆

 日本にやってきたアライグマ
 サルの混血は悪いのか
 「環境保護」は利権の温床
 ある日突然消えた焼却炉
 二酸化炭素を金で買う
 ブラックバスは本当に悪者?
 動物の勝手に任せよう
 恐怖のアライグマ殺戮団
 役人の顔色をうかがう科学者


 第4話 ウイルスの逆襲   藤田紘一郎氏×日垣隆

 体長一二メートルのペット
 産卵は一日に二〇〇万個
 サナダムシの浮気
 糞便は経済の主役だった
 清潔社会とアレルギー
 花粉症は寄生虫で治る!
 O−157はどこへ行った?
 コレラ菌を飲んでみた
 SARSパニックの狂騒
 バイ菌弾圧国家・日本
 エイズも人間と共生している


第5話 ヒトの時間 ナマコの時間   本川達雄氏×日垣隆

 スローペースな"沖縄時間"
 ナマコの愉快なエコライフ
 食べ物に囲まれた毎日
 江戸時代にはなかった時計
 動物も二四時間周期
 太っているほど少食?
 "人生"を生き急ぐネズミ
 ゾウの細胞は動きが鈍い
 四〇人分を一人で使う人間
 歌う生物学者!


 第6話 さらば遺伝子幻想   岡田正彦氏×日垣隆

 クローン羊「ドリー」の誕生
 目には見えないジグソーパズル
 理想の人間はデザインできるか
 遺伝子で金儲けをする
 クローン人間の誕生前夜
 トウモロコシが消える日
 夢の健康食品は誕生するか
 遺伝子操作は諸刃の剣


 第7話 ガンで死ぬのは不幸なことか   近藤誠氏×日垣隆

 臨終の瞬間に始まる"儀式"
 患者に病名を伝えない医者
 昭和天皇のガン手術
 ガンは切れば治るのか
 乳ガンは切らずに残す
 ポリープはただの「おでき」
 "ガンもどき"は放っておく
 検診を受けるのはやめよう
 ガンは日本人の国民病
 患者は医者の実験台か


 第8話 定説をくつがえす   赤祖父俊一氏×日垣隆

 仮説のジグソーパズルを解く
 地震の世界の「大革命」
 ヘソ曲がりのすすめ
 世界で味方はたった二人
 オーロラのカーテンを破る
 仮説を証明する三つの段階
 創造性は最大の武器
 社長から怒鳴られよう
 ひらめきは突然降ってくる


あとがき


帯 【表】

 うっかり騙されていた人、激増中!  

 〇生ゴミは土に良い 〇鳥員フルで人類破滅へ
 〇尻の穴まで除菌せよ 〇遺伝子研究はバラ色
 〇ガンは迷わず切除 etc.・・・・・・全部、嘘八百。


■立ち読み■
 
日本にやってきたアライグマ

日垣隆 一九七七年に「あらいぐまラスカル」というテレビアニメが放送され、人気を呼びました。以来アライグマがアメリカから輸入されるようになったものの、飼い主がアライグマを手放したために日本国内で野生化しています。特に北海道ではアライグマによる農作物への被害がひどく、最初は数十 万円程度だったのが今では数千万円もの損害にのぼっているそうです。北海道では、千万円単位の予算を組んでアライグマ駆除に乗り出しました。同じようなことは日本の別の地域にも広がっており、例えば小笠原諸島では草を食べ尽くしてしまうヤギを駆除する動きが出ています。

池田清彦 アライグマのような外来種に限らず、サルやクマのように人間に危害を与える動物はたくさんいます。 シカも丹沢あたりではすごく増えていまして、尾瀬の湿原もシカに荒らされている。悪さをする動物はいくらでもいるのですが、外来種は特に悪者にされてかわいそうなところがあります。動物が畑の農作物を食べ荒らしたり人間に危害を与えるようになった一番の原因は、里地、里山が荒廃してしまったことです。

日垣 アライグマを駆除する名目として、「鳥の卵を食い荒らすから」「アライグマが出るようになると、キツネやタヌキの姿が決まって消えてしまう」という言い方があります。こんな言い方はとうてい科学的ではなく、なんだかホラー小説のようです。環境に負荷を与えたり動物の卵をたくさん食べているのは、アライグマではなく人間のほうでしょう。ひとたび「害獣」「害虫」とレッテルが貼られた瞬間、アライグマもブラックバスも世論が一気に叩いてしまう。こうした短絡的な思考は、とても健全であるとは思えません。

池田 日本の悪いところは、何か問題が発生したときに一つのやり方しか試さないことです。「動物を駆除する」と一度方針が決まれば、ほかの善後策は取られず一気に一つの方法だけをもって突き進んでしまう。こうした風潮の根底には、省庁の責任逃れがあると思います。文科省も環境省も、問題解決のための処方箋はたった一つしか示さない。なぜでしょうか。その方法で大失敗したときに、失敗だということがバレないからです(笑)。

有村美香アナウンサー(アシスタント・インタビュアー) Aの方法とBの方法を二つ同時並行で試せば、AとBのどちらがより良い方法だったかがわかります。Bのほうがベターだったとあとでわかったときに、Aの方法を提唱した人の立場が苦しくなってしまう(笑)。

池田 たった一つの方法を試して状況が改善されなかったにしても、「この方法を試さなければもっと状況はひどくなった」と言い訳ができます。こんな責任逃れのようなことを、いつまでもやっていては困る。日本の行政の 体質は全部同じなのです。例えば文科省は、大学の教養部を全部一度につぶしてしまいました。しばらくしてから 「やはり教養教育は必要だ」と言い出す。だったら、半分の大学は教養部を廃止し、半分の大学は教養部を残したまま一〇年でも試してみれば良かったのです。ところが日本の省庁は決して、二者択一で処方箋を比較検討すること がない。ですから「アライグマは悪いヤツだ」と決めてかかった瞬間に、一斉にアライグマを殺すようなことが起こる
のです。


 対談者プロフィール

 武田 邦彦 氏

 1943年生まれ。東京大学教養学部卒業。旭化成工業にて研究に従事、ウラン濃縮研究所長を経て芝浦工業大学教授、名古屋大学大学院教授を歴任。中部大学教授。多摩美術大学、上智大学非常勤講師も併任。専門は資源材料工学。工学博士。日本工学アカデミー理事、内閣府原子力安全委員会専門委員、文部科学省科学技術審議会専門委員、同省中央教育審議会専門委員も務める。著書『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)、『リサイクル幻想』(文春新書)、偽善エコロジー』(幻冬社新書)など多数。


 西成 活裕 氏

 1967年生まれ。東京大学卒業。修士と博士課程では航空宇宙工学を専攻。山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科助教授、ケルン大学理論物理学研究所(ドイツ)客員教授を経て、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻准教授。専門は非線形動力学。「渋滞学」を初めて提唱し、学問の分野を横断したユニークな研究で注目を集めている。著書『渋滞学』(新潮選書)、『クルマの渋滞、アリの行列』(技術評論社)。
 "西成総研"のURLはhttp://soliton.t.u-tokyo.ac.jp/nishilab/


 池田 清彦 氏

 1947年生まれ。生物学者。東京教育大学理学部卒業。東京都立大学大学院博士課程修了。山梨大学教育人間科学部教授を経て、早稲田大学国際教養学部教授。主な研究テーマは理論生物学、生命の形式についての研究、昆虫の生態学と分類学。「多元的な価値観に基づく構造主義生物学」を提唱して、注目を集めている。著書『科学とオカルト』(講談社学術文庫)、『科学はどこまでいくのか』(ちくま文庫)、『環境問題のウソ』(ちくまプリマー新書)、『底抜けブラックバス大騒動』(つり人社)、『新しい生物学の教科書』(新潮文庫)など多数。


     藤田 紘一郎 氏

 1939年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学伝染病研究所(現医科学研究所)大学院修了後、テキサス大学、金沢医科大学、長崎大学医学部教授を経て東京医科歯科大学大学院教授。現在は、東京医科歯科大学名誉教授、人間総合科学大学教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免役学。体の中にサナダムシを飼う「寄生虫博士」として知られ、テレビ出演でも人気。著書『知られざる水の「超」能力』(講談社+α新書)、『ウッふん』(講談社文庫)、『寄生虫博士のおさらい生物学』(講談社+α文庫)、『「きれい好き」が免疫力を落とす』(同)など多数。


   本川 達雄 氏

 1948年生まれ。東京大学理学部生物学科(動物学)卒業。東大助手、琉球大学助教授を経て、現在は東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。専門は棘皮動物(ナマコ、ウニ、ヒトデなど)を中心とした生物学。著書『「長生き」が地球を滅ぼす』(阪急コミュニケ−ションズ)、『ナマケモノの不思議な生きる術』(講談社+α文庫)など多数。92年に出版した著書『ゾウの時間 ネズミの時間』(中公新書)はベストセラーとして話題に。生物学の内容を全70曲の歌にするなど、「歌う生物学者」としても知られている。


 岡田 正彦 氏

 1946年生まれ。新潟大学医学部卒業。90年より同大医学部教授、現在は同大大学院教授。医学博士。アメリカの学会誌編集委員や、日本の学会誌「生体医工学」編集長も歴任。専門は予防医療学、長寿科学。悪玉コレステロールの検査法を世界で初めて開発し、臨床病理学の第一人者として知られる。著書『人はなぜ太るのか』(岩波新書)、『医療から命をまもる』(日本評論社)、『ドック・検診でわかる病気 わからない病気』(講談社+α新書)、『暴走する遺伝子』(平凡社新書)など多数。


 近藤 誠 氏

   1948年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学病院の講師に。専門は放射線によるガン治療。乳ガンに対する乳 房温存療法のパイオニアとして知られる。「医療事故調査会」「患者の権利法をつくる会」世話人。医療事故が相次ぐ日本の医療改革、患者本位の医療実現へ向け医療情報の公開と告発に力を注ぐ。著書『がん治療総決算』(文春文庫)、『成人病の真実』(同)、『新・抗がん剤の副作用がわかる本』(三省堂)、『大病院「手術名医」の』(講談社+α文庫)、『大学病院が患者を死なせるとき』(同)など多数。


 赤祖父 俊一 氏

 1930年生まれ。東北大学理学部地球物理学科卒。大学院在学中にアラスカ大学地球物理研究所に移り、博士号取得。79年に米地球物理学会からジョン・フレミング賞を受ける。アラスカ大学地球物理研究所教授、所長を経て、現在アラスカ大学国際北極圏研究センター所長。オーロラをはじめ、地球電磁気学や北極圏研究における世界的権威として知られる。著書『北極圏へ』(白日社)、『北極圏のサイエンス』(誠文堂新光社)、『オーロラ』(岩波新書)、『オーロラへの招待』(中公新書)、『オーロラ写真集』(朝倉書店)など多数。http://www.iarc.uaf.edu/


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