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知的ストレッチ入門(文庫版)

bunko_chitekiobi160.jpg 知的ストレッチ入門(文庫版)
新潮文庫

定価:514円(税別)

文庫化に際してtwitter論など、第7章、第8章、あとがきを増補 ,Kindle時代――21世紀型「新・知的生産の技術」ここに誕生
本書は全国の書店またはamazonなどのネット書店でお求めください




帯 【表】
 
読む力、書く力、プレゼン力
  20倍UP!
  おとなのビジネスアタマを
  劇的に向上させる、驚異のメソッド。

  iPhone/Twitter論を追加! 

帯 【裏】
 
これが知的ストレッチの基本3原則
  1、インプットは必ずアウトプットを前提にする
  2、うまくいった諸先輩の方法をどんどん採り入れる
  3、おのれを知る

  iPhone/Twitter時代に完全対応!
  一冊で一生役立つ、新「知的生産の技術」。

目 次

はじめに 

序 章 知的ストレッチとは
2回転半から4回転ジャンプへ/お金の使い方も/現状に満足しない/知的ストレッチの基本3原則/共通技術はラクして手に入れる/自分を知らなければ成長できない

第1章読む||ストレッチ読書術
まず素直に読む/全集の効用/速く読む技術/・・・・・・

第2章構える||ストレッチ書斎術
知的生活は書斎から/オーダーメイド鞄で「おのれを知る」/机廻りにもある優先順位/・・・・・・

第3章考える||ストレッチ検証術
調べることは考えること/レファ本で検証する/・・・・・・・

第4章創る||ストレッチ仕事術
仕事と趣味を分けるもの/インプットとアウトプット/・・・・・・・

第5章書く||ストレッチ文章術
インテリ層がハマるメディア/日記大好き民族の逆襲/・・・・・・・

第6章疑う||ストレッチ回避術
ウソを読み解くリテラシー/構造的なウソを見破る/・・・・・・・

第7章出逢う||ストレッチ互助術
新ツールの薦め/知らずに生きるのはもったいない/・・・・・・・

第8章変わる||ストレッチ改造術
変わるまでの期日を設ける/35歳のプロ棋士挑戦/サラリーマンは辛い? /・・・・・・・

第9章決める||ストレッチ決断術
択一で悩む無駄/即決をするとなぜ得をするのか/・・・・・・・

おわりに

おわりに

 本書のもとになったのは同名の単行本(大和書房)であり、もちろんその趣旨に何ら変化はありませんが、冬のオリンピックを1回挟んだ時間の流れがあったため、記述内容の一部を2010年春現在に相応しく書き改め、さらに思い切って第7章と第8章を、この文庫のために書き下ろしました。
 我ながら偉いのではないかと、ふと思ってしまうわけでありますが、文庫化を待っておられた方や、お初にお目にかかる方々ばかりでなく、単行本を買われた方にまで二度売りしようという魂胆もないではありません。正直すぎるか。
 私が知る限り、老舗の新潮文庫は、大幅改編ということをせず、よく売れた単行本をそのまま文庫化しただけで長く読み継がれる、という伝統があるだけに、単行本より、ほとんど2倍にふくらんだ前作『少年リンチ殺人――ムカついたから、やっただけ《増補改訂版》』に引き続き、今回もこのような決断を極めて快く受けていただき、深謝の念に堪えません。読者であるあなたも感謝してください。冗談です。

 さて、日本では戦後、知的インプットやアウトプットに関する本が何度もベストセラーになっています。
 梅棹忠夫さんは『知的生産の技術』(岩波新書、1969年)のなかで、《日本語をタイプライターにのせるというのは、日本における知的生産の技術としては、もっともたいせつな問題であるといわなければならない》と書いておられます。
 もちろん、この夢は完全に実現しました。
 渡部昇一さんは『知的生活の方法(続)』(講談社現代新書、1979年)において、《ドイツではコピーを頼むと、短いものなら翌日、厚い本なら三日後にできあがってきた》と紹介しておられたのですが、今や家庭用高性能コピー機が数万円程度で買えるようになりました。
 板坂元さんの『考える技術・書く技術(続)』(講談社現代新書、1977年)では、本は《出版したときに買っておかないと、すぐ品切れになって、あとで入手困難ということになりかねない》という注意が発せられています。
 現在はネット古書店も充実しており、そのような心配は無用と断じて良いでしょう。
 立花隆さんが40代に書いた『「知」のソフトウェア』(講談社現代新書、1984年)も読み継がれるべき名著ですけれど、《新しいニュースについては、やはり毎月の縮刷版を順次めくっていかなければならない》とあり、懐なつかしい思い出に浸りたくなります。
 その後、一世を風靡した『スーパー書斎の仕事術』(ビジネスアスキー、1986年)のなかで山根一眞さんは、《汗をたらしながら、駅の階段を重い鞄抱えて旅を続けたが、いちばん困ったのが百科事典だった》と嘆いておられました。今なら内ポケットに入ります。
 野口悠紀雄さんですら『パソコン「超」仕事法』(講談社、1996年)で、インターネットは仕事に使えず、《必要な情報を集めるなら、紙メディアの方がずっと便利だ》と断言していらしたのです。

 ここに挙げたベストセラーの数々は、それぞれの時期にあって、知的生活のための優れた教科書でありました。
 しかし改めて読み返すと、私たちを取り巻く前提条件のあまりにも激しい変化に、頭がくらくらしてきます。これはもちろん慶賀すべきことでしょう。諸先輩が直面してきた大課題のほとんどがクリアされ、夢がことごとく実現しているのですから。
 たまには手漕ぎボートや人力車も悪くありませんが、各地をめぐるにはエアバスや新幹線や自転車や徒歩を臨機応変に使い分けるのが便利でしょう。

 先達に敬意を表しつつ、21世紀の現代にふさわしい知的ストレッチ法を身につけ、新しいステージでのインプットとアウトプットを楽しみ、かつ役立てていただければ幸いと思い、これまでの本とは大きく趣旨を異にした本書『知的ストレッチ入門』が誕生しました。
 例えば、知的なんたら本で、書棚や鞄のことに触れたものを私は見つけることができませんでした。しかし、本を買って読む以上、その収納について無視するのは現実的ではありません。私は、なぜ書店は優れた書棚を売らないのか、不思議でならないほどです。だから、専門業者と何度も改造をして自分のサイトで売ったのでした。
 今は、普通に楽天などの通販で簡単に買えますので、どうかご利用ください。
 他の人の本は捨てても売っても構わないかもしれないけれど、自分の本や大切な本――線を引いたりメモを書いたり付箋を貼ったり角を折ったりした、この世に1冊しかないあなただけの「外部脳」としての本――は捨てないでと願って、どこが不自然なのか、と敢えて言い添えておきたいと思います。

 IT方面のツールや製品は、ほぼ成熟したといってもいいでしょう。量的な進歩や応用レベルの変化(容量やキンドル的なものの日本語化など)は今後も続くはずですが、もう本書をもって死ぬまで大丈夫な新・知的生産の技術を、というつもりで書きました。iPhone的なものはこれ以上小さくはならないでしょうし、電子書籍と印刷書籍の共存も半永久的に続くでしょう。
 マスコミもなくなりはしないはずですし、個人の情報発信力や出逢いや遠隔互助の力は、もっと強まってゆくはずです。が、基本は、もうできあがりました。

 現代人は、とりわけ律令時代から日記好きの日本人は、人類史上最も多くの人々が最も大量に読み、書き、アイデアを必要とする時代に突入しています。
 知性あふれる皆様のさらなるご健闘を祈って、筆を擱きたい――キーボードを打つ手を止めたい――と思います。
 では、またいつかどこかで!

 2010年春
日  垣   隆

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