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つながる読書術

tunagarudokushojutu160.jpg つながる読書術
講談社 現代新書

定価:760円(税別)

プロフェッショナルがすべて公開! 生きることに役立つ本の読み方、伝え方
知識とのつながり、名著とのつながり、読書会での仲間とのつながり、仕事へのつながり...プロが教える豊かな読書術

本書は全国の書店またはamazonなどのネット書店でお求めください


《帯》

選別力と読解力の基礎トレをする
「読書」には七種類ある
つまらない本は的確に「損切り」する。
読書で得た知識を「自分のネタ」に変換する
ひらめきを形にするメモの技術
読んで書くというコミュニケーション
なぜ、今こそ読書会なのか?
電子書籍時代の読書術
読まずに死ねない厳選一〇〇冊日本!

【カバー袖、引用部分】

巷にある多くの本が提唱するのは「自分の人生に役立つ読書」であり、個人単位で完結するタイプの読書法でした。/しかし本書では、あなたが本で学んだことを書き、話すことでコミュニケーションを取る方法などについて述べます。明治以降、大学のゼミを除いて一人で読むものだった本を、複数でシェアしつつ読むという「ソーシャルリーディング」を、いかに実生活に取り入れていくかという提案でもあります。......こうしたいくつかの手法をマスターすれば、「みんなでおもしろがる」「みんなで役立てる」つまり「知的コミュニケーションのための読書」も可能となるはずです。──「まえがき」より


目 次

まえがき
──おもしろくなければ、本の価値なし



第一章──仕込みとしての読書術  選別力と読解力の基礎トレをする

「読書」には七種類ある/読書はパワーアップする/読書とは、「おのれを知る」営為!/いつか読む本でなく、すぐ読む本を買う/まず「ベーシックな読み方」を身につける/「頭に入る読み方」を身につける/つまらない本は的確に「損切り」する

第二章──知的体力を鍛える読書術  おもしろい読書で、激しく脳を活動させる

「おもしろい」には七つのカテゴリーがある/「おもしろさ」を味わいつくす/名著を読み込み、知的体力を鍛える/名著の「注釈」を見逃してはいけない/名著の舞台で読み、感性を柔らかに耕す

第三章──書いて深める読書術  読書で得た知識を「自分のネタ」に変換する

自分の土俵で本を読むということ/書くことが考えることを深化させる/書く準備としての付箋づかい/ひらめきを形にするメモの技術/調査力を鍛えるための読書/仮説力を鍛える読書術/読んで書くというコミュニケーション

第四章──話してつながる読書術  読書を介したネットワーキングを構築する

なぜ、今こそ読書会なのか?/読書会を主宰する日垣式ノウハウ/古典や難解な本は徒党を組んで読む/ウェブ読書会で"集団の叡智"を浴びる

第五章──電子書籍時代の読書術  電子書籍と紙媒体の共存共栄は当然

電子書籍は新しいものではない/電子書籍と電子図書館の未来/電子書籍時代の本棚のありよう/電子書籍は万人を書き手にするのか?

あとがき  

付録──読まずに死ねない厳選一〇〇冊の本! 


【立ち読み】

まえがき――おもしろくなければ、本の価値なし


 本書では「つながる」には五つの意味を込めています。

 第一に、ある本を読んで、次の本へと「つながって」いく読書の愉楽。
 第二には、書物を通じて、人と人とが「つながって」いく醍醐味。
 第二として、ネットやリアルの読書会などを介して、本来出合わなかった名著と「つな がる」贅沢な時間。
 第四は、本を読んで、無知または未知または無関心だった多彩な現実世界と向き合う 「つながり」。
 第五は、自己目的の読書にとどまらず、何が起きても不思議ではないこの時代に、良か れと思ったことを即行動に移せるか否か、という「つながり」方。

 これらの多くは、従来の読書術には欠けていた―― というより、これまでは「つなが り」が職場や学校に限られていたり、想定しえなかったりするのだけれども、ネットを無 視しては仕事が成り立たないように、読書の楽しみと実益が無限大に広がる時世の到来を 意味しています。

 ところで、唐突ながら、人はいったい何のために「食べる」のでしょうか。
生命を維持するためのエネルギーとして必要だから。これが最大の理由です。「食ベ る」というのは、大も猫もパンダもヒトも、万物に共通する生きるための営みです。 「ガンにならない健康食品」に飛びつく中高年も、「若返りに効くフルーツ」に夢中にな る女性も、突き詰めれば自分の生命を維持することに懸命なのだと言えるでしょう。 そのほかに「食べると、おいしいという快感がもたらされる」という理由もあります。 また、「食事はコミュニケーションの手段である」あるいは「食は文化だ」という考え方 もあります。つまるところ、人は明白な理由があって物を食べているというわけです。

 では、人はいったい何のために、本を読むのでしょうか。
生命を維持するために読むのではないというのは、「食べる」との対比で、はっきりし ています。
(中略)

 これから紹介する読書術で、皆さんの人生をおもしろいものにしていただきたいと心か ら願っています。
 「おもしろい」とは、げらげら笑う類いのおもしろさだけを指すものではないと、賢明な 読者の皆さんはすでにおわかりでしょう。詳しくは後述しますが、「役に立った」「読んで 良かった」と思った時点で、それは「おもしろい本」なのです。
「名作だ」「ベストセラーだ」「書店のワゴンで山積みになっていた」「ビジネスパーソン の必読書だと書評に出ていた」という理由で本を読む。そういう人たちもいますが、おも しろい人生を謳歌できるかと言えば、疑わしいところでしょう。
あなたにとっておもしろい本を選び,おもしろくなる読み方をしなければ、いくら乏しい可処分所得をまるごと本に投資したところで、仕方がないのです。
 「多読が役に立つ」と世で声高に言われていようと(まあ、このこと自体は正しいと私も 思いますが)、自分の人生に影響をおよばさない本を何万冊読んだところで、ほとんど意 味がないといえます。
 自分で「読むべき本を選べる」人、すなわち偏りのない「本の目利き」は日本に二〇万 人ほどでしょう。
 この数字は大正教養主義時代から、それほど変わっていません。明治晩年の夏目漱石の 小説は、いずれも初版三〇〇〇部から四〇〇〇部でした。死後、大量に売れ始めたのです ね。売れるから読まれる。
 その傾向は、むしろ出版の王道なのかもしれません。
しかし、かつては年間に出版される本が一〇〇〇点あればいい時代でした。今は八万点 にも達しています。
 生きていく上で自分に必要なもの、不足しているものを本の目利きになって補えられた ら、「おもしろい人生」に近づくことは間違いありません。読書人として、「本の目利きになる」ことを学生時代から目指してきた私の方法論を、生意気を承知で、これからお伝えしたいと思います。
 日々、次々と人や本が「つながって」いく時代がすでに到来しているのです。
 私は「積ん読」ということをしません。
 確定申告の時に税理士さんが算出してくれる経費を見て、自分でも驚くのですが、年間 六〇〇万円ほど本代(電子書籍や資料代も含む)に使います。買ったら必ず目を通しま す。
 そこに例外はありません。
 ケチなのかもしれませんが、 一応プロですからね(笑)。

 ところで、「役立つ読書術」というのは、巷に数限りなくあります。
仕事に役立つ読書術、頭がよくなる読書術、モテる読書術、どんな夢でもかなえてあげ ましょうという――詐欺なのか太っ腹なのか微妙な読書術、くじけそうな心に効く読書術 などなど、わざわぎ私が多大のエネルギーと時間を費やして一冊の本を書かなくてもよさ そうなくらい、たくさんあります。
 本書はそれらの読書術とどう違うのか。
 答えは単純明快。「自分一人ではなく、みんなでおもしろがる読書術」という点です。 巷にある多くの本が提唱するのは「自分の人生に役立つ読書」であり、個人単位で完結 するタイプの読書法でした。

 しかし本書では、あなたが本で学んだことを書き、話すことでコミュニケーションを取 る方法などについて述べます。明治以降、大学のゼミを除いて一人で読むものだった本 を、複数でシェアしつつ読むという「ソーシャルリーディング」を、いかに実生活に取り 入れていくかという提案でもあります。具体的には、「読書会」を催す方法と意義と効 用、さらには自分で電子書籍をつくって発行する方法についても言及します。

 こうしたいくつかの手法をマスターすれば、「みんなでおもしろがる」「みんなで役立て る」つまり「知的コミュニケーションのための読書」も可能となるはずです。 おもしろい本を読んで自分の中にとどめておくのではなく、発信する。その広がりが、 また自分にも影響を及ぼす。この循環がいかに本を興味深いものにし、人生を豊かにして いくかの醍醐味を、多くの方に知ってほしいと思うのです。
(後略)

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