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電子書籍版 愛は科学で解けるのか

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目次

ハエがその気になるとき
山元大輔 早稲田大学

サルは性を遊ぶ
榎本知郎 東海大学

恋するヒトの心理学
松井豊 筑波大学

脳は愛のためにある
松本元 理化学研究所

■立ち読み■

(前略)

日垣 三年ほど前に、ある国際シンポジウムで初めて私は松本先生の講演を聞いて深い感銘を受けました。でもそれは感動的な話をされたというよりも、要するに私の問題?
松本元(理化学研究所・脳科学研究センター ) 日垣さんの側に、私のいわんとすることを理解するテーブルが用意されていた、ということでしょうね。なぜ感銘を受けるかといえば、与えられた情報によって、感銘的であるという感情が内部から引き出されるからです。「あいつは嫌な人だ」などと、我々はよく口にしますが、「あいつ」によって我々の脳のなかから、「嫌な人だ」という理解と感情が引き出されるのです。
日垣 ラジオや読書でも、聞き手や読み手は受身とお考えの方も多いかもしれないけれど、ラジオから聞こえてくる会話とか書物の活字も実は、かなり主体的に処理されています。
松本 そう。同じことをラジオから聞いても、聞く人によってその意味はそれぞれ違ってしまいますね。主体的に処理するためには、答え(意味)はこうかな、と思うためにはね、私のいっていることを聞いて、これは聞く価値があるかどうかという判定をまずするわけです。「聞く価値がない」とか「聞いても面白くない」と判定をしている人は、あとは何も考えない。で、考え始めるとね、今度は出力依存型学習だから、脳の回路が書き変わっていくわけです。話を聞いて、「こうかな」と思ったことによって、書き変わる。
有村アナ ベッドから一歩離れたのと、それは同じことなのですね。
松本 そのとおりです。脳から「こんなことかな」という認知的出力をすることで、学習が進む、すなわち情報処理の仕組みをつくっていくわけです。で、そうやっているあいだに、私のいっている意味を理解する回路が皆さんの頭にできてくると、「ああ、なるほど」というふうになっていくわけです。
日垣 先ほどからずっと気になっているのですが、そうすると脳とコンピュータの本質的な違いというのは、出力が目的になっているか手段になっているか、ということですか。
松本 そういうことです。コンピュータの目的は出力することですが、これに対して、脳の目的は「情報処理の仕組みをつくること」で、いわば成長することです。脳では出力することは手段にすぎません。
日垣 成長といえば、大脳の回路形成について伺っている途中で、科学者に人生相談していいものかどうか(笑)。私は大学を出てから四回ほど失業と転職をしておりまして、その理由を振り返ってみるとこういうことなのです。つまり、どの職に就いても一年目はものすごく面白くて張り切るわけですね。いろいろな伝票の書き方とか商品の仕入れノウハウとか、季節によってかなり売り方も違いますから、楽しくてしょうがない。朝もピシッと起きれられる(笑)。でも二年目に入ると、前年とほぼ同じ仕事になってしまうわけです。必ずクリスマス商戦はあるし、そのノウハウも基本的に同じ、伝票の書き方も同じ(笑)。脳でイメージしたとおりの現実が繰り返されると思った途端に行きたくなくなってしまって、二年目に仕事を辞めてしまうわけです。これは非常に私にとっては肩身の狭い思い出だったのですが、大脳の働きから(笑)そういう現象が説明できるのでしょうか。
松本 ええ、それはもう(笑)、まったく大脳の働きそのもののです。そうやって現に、非常に立派に生きておられると思います(笑)。いや本当に。普通の人はね、処方箋を勉強しちゃうのだけど、日垣さんは、たまたま勉強しなかったんですね。学校の教育を真に受けなかったために、脳の働きに忠実に生きておられるのです。出来高だけで評価する教育からは距離を置いて生きてきた、ということです。どういうことかといいますとね、脳は目標を決めるでしょ。その目標を達成するための仕組みをつくる方向にめざして進んでゆくことが脳の目的なんですよ。
日垣 はい。えっ?(笑)
松本 たとえば山登りを考えてみるとわかりやすいでしょう。まず、どの山に登るかを決めなきゃいけない。富士山に登る人もいれば、桜島に登る人もいる。それは、自分の好みで決めるわけですね。でも、ルートは自分なりに探す。これが脳の目的です。だから、いろんな職業に就いた、ということは目標を決めたわけですね。
日垣 はい。
松本 で、その会社に入って、いきなりいろいろできないけれども、自分なりにやり方を探した。つまり脳回路をつくっていったわけです。新しいことを始めるときには、まだ「目標を達成するための仕組み(情報処理の仕組み)」が獲得できていないので、失敗や挫折も伴います。そのときは苦しいけれど、感動もあるし、達成感や幸せ感もあったでしょう。しかしそれが翌年から簡単にできるようになったということは、いわば山の頂上へ登るルートを探してしまったわけです。自分の目標をやり遂げた。そうすると、一応満足するのだけれど、でも満足したときに脳は目標を失い、朝起きられない人と同じように、意欲が失われ始めているのです。清原選手がなぜ今、不振か(笑)。
有村アナ 今度は野球の話になるんですね(笑)。清原和博選手は西武ライオンズから、フリーエージェントの権利を獲得して一九九七年に読売ジャイアンツに移籍しました。
松本 清原選手は、巨人に入団するときに、こういっていましたね。「巨人軍に入ることが僕の小さいころからの夢だった」。
有村アナ 記者会見でも、そう話していましたね。
松本 だから、入るまでは成績が良かったのです。でも、そういう人が本当に巨人軍に入っちゃったでしょ。
有村アナ 目標を達成してしまうと、あとは下り坂。
松本 だからもう、スランプ。
日垣 そういう人はどうすればいいんですか(笑)。
松本 目標を再設定して、もう容易には達成されないような目標をもてばいい(笑)。
有村アナ な、なるほど(笑)。

(後略)
 

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