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有害図書規則―条例のない長野県と条例のある長野市の場合―  new.png

yugai160.jpg 有害図書規則―条例のない長野県と条例のある長野市の場合―


250円(税別)


目次

世界と日本、そして長野県では
条例の「ある」長野市、その規制の実態
条例の「ない」長野県
条例によらない長野県万式の実態

1996年発表 未書籍化作品

立ち読み

世界と日本、そして長野県では

 ベルリンの壁が崩れて東ドイツが西トイツにのみこまれていったとき、現場に居合わせた私に最も興味深く思われたのは、ポルノショップの配置図が大きく塗りかえられたことだった。行政介入および自主規制で成り立ちがちだった東側の青壮年は少なからず、国家崩壊とともに西側のポルノショップになだれこんだ。それまで閑散としていたポツダム市や、かつて東ドイツであった中小諸都市に、目に見えて増えたものはといえば、その筆頭にポルノビデオのレンタルショップをあげなければならない。

 かつてソ連という国の断末魔として「8月クーデター」が起きたとき、なぜ多くの若者がバリケードに駆けつけたかといえば、少なくともその一つの要因に、非常事態委員会によってクーデター初日に出された初の政令が、ロック禁止やマスコミ統例とともにエログロ追放であった、という事実にも私は無関心ではおれない。

 新聞雑誌の路上販売が主流であるアジア諸国をめぐってみれば、中華人民共和国および朝鮮民主主義人民共和国をのぞいて、いとも簡単かつ日常的に、ヘアはおろか性器までが露出した雑誌を買い求めることができる。そこに住む少年たちがそれらの雑誌を所持する機会が少ないのは、金銭的問題に還元しうるのかもしれない。15歳にも満たない少女あるいは少年が、性の売り買いの対象にさせられている光景さえ、日常的である国々もまた多い。ただし、前近代の別側面でもありうる地域および家庭の教育力と権威は、性その他の個人的問題を行政介入から防御している現実も、また見逃すべきではない。

 では日本はといえば、この国ほど何につけても「お上」を軸とした思考が習い性となっているエリアは他にないのではないか、という気がする。シートベルト着用の義務化にあたっても、法的な明文化があってはじめて「効果」をあげた。カラオケボックス建設反対といって条例による規制強化を懇願する人々も、規制の緩和を求める人々もまた、その「お上」思考において共通性をもつのではないか、とすら思える。

 くだんの条例がない長野県は、どうか。全国で唯一その条例が存在しない長野県をもって、表現の自由に最も敏感であり、かつ行政指導に最も控え目であるかのごとくな、識者による解釈が散見される。だが、それは善意の、しかし大いなる誤解というものである。
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