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狂牛病の教訓 安全な食品確保のために:新山陽子(京都大学大学院農学研究科教授)×日垣 隆

taidan_niiyamayouko.jpg 狂牛病の教訓 安全な食品確保のために:
新山陽子(京都大学大学院農学研究科教授)×日垣 隆(PDFファイル)


定価:800円 → 500円(税別) 特別割引実施中!


目次

国産牛肉が安くならない理由
ヘルパー制度導入で「365日労働」を改善
もしも日本の畜産業が消えてしまったら......?
食品のリスク管理は国家の生命線
食肉専門の合同捜査本部を組織せよ!
「トレーサビリティシステム」で犯人を追跡
牛の全頭殺処分は避けられる
「安全宣言」をやたらと信用しない
O157やBSE騒動は絶好のチャンス
読者からの質問1_畜産関係の専門書が売れなくなっている理由
読者からの質問2_自立する農家、依存する農家
読者からの質問3_グローバリゼーションは単純ではない
読者からの質問4_未来を背負う農業の後継者
読者からの質問5_畜産の経営コスト削減策
読者からの質問6_食糧自給率は低いままでいいのか?
読者からの質問7_女性研究者への狭すぎる門戸

【新山陽子氏プロフィール】

にいやま・ようこ氏は、1952年生まれ。1974年に京都大学農学部を卒業。1980年に京都大学大学院農学研究科博士課程を修了。 専門は農業経済学。農業や畜産業を、経営・経済学の観点から研究。食品安全確保に関するリスクコントロール、フードシステムの構造改革など、将来的な日本の農業施策への提言に力を入れている。著書『畜産の企業形態と経営管理』(日本経済評論社)、『牛肉のフードシステム』(同)、『食品安全システムの実践理論』(昭和堂)、『解説 食品トレーサビリティ』(同)、『キーワードで読みとく現代農業と食料・環境』(共著、昭和堂)など多数。



【立ち読み】

もしも日本の畜産業が消えてしまったら......?

日垣:日本の国産和牛には、神戸牛や松阪牛などブランド肉がたくさんあります。日本の牛肉生産は①ブランド肉②アメリカやオーストラリアの肉にも対抗できる安い牛肉――に二極化している面もあるのでしょうか。

新山:たしかに二極化はしています。ただし、海外の安い肉に日本が対抗することは無理です。いかに努力したところで、海外と同じコストにまで下げることはできません。海外の安い肉とは違った品質の良い肉を、国内では供給する。そうやって棲み分けを図る以外にないことが、ようやくはっきりしてきました。
 神戸牛や松阪牛などのブランド肉は、国産牛のうちごく一部です。いわゆる和牛は、国産牛肉のうちだいたい3割、残りの7割は酪農経営から供給されるホルスタインの肉です。後者の肉は「大衆肉」と呼びます。

日垣:オランダやドイツ、イギリス、フランスなどのヨーロッパの国々では、ここのところ牛肉の消費量が大きく減少しているそうです。直接の原因は、世界的に広がったBSE騒動でしょう。牛肉の消費量が減っているのは、先進諸国でほとんど共通の 傾向です。
 日本では牛肉の輸入量がとんでもなく増えており、右肩上がりのカーブとクロスするように、自給率は1978年あたりから下落しています。
 もともと食糧自給率が低い日本において、牛肉の自給率は特にものすごい勢いで落ちている。逆に、消費量と輸入量が爆発的に伸びている。こういう特徴は、世界的にも珍しいと思います。世界全体で牛肉の消費量が落ちているのに、日本だけが増えている。もっとも、欧米人がやたらと肉ばかり食いすぎていただけかもしれませんけど(笑)。

新山:一言で言えばそうでしょうね。アメリカやヨーロッパでは、豚肉や牛肉の消費量がとても多い。対して日本では、もともと食肉の消費量がそれほど多くなかったのです。海洋国家の日本には魚が豊富にありますし、大豆や米といった植物からタンパク質を摂(と)る比率が高かった。日本人は、とてもバランスが取れた食生活を送ってきたのです。 
とりわけ牛肉の消費量は非常に少なかったのですが、20世紀末から今日に至るまでずっと伸び続けています。

日垣:アメリカ人のファストフードの消費を調べると、1970年には60億ドルだったのが、2000年には1,100億ドルにまで激増しています。マクドナルドの店舗数は、1968年に1,000店を突破しました。現在では世界100カ国以上に3万店もの店舗があります。
 日本では、「おふくろの味」という概念がどんどん薄れてきました。今の子どもたちにとっての「おふくろの味」は、下手をするとコンビニのお弁当やファストフードになりかねない状況です。ここ20~30年の食生活の変化は、過去4万年の変化よりも ダイナミックではないでしょうか。
ところで、神戸牛のような高級ステーキ牛と、ファストフードに使われる肉は生産過程が違います。ファストフードでパテに使われる牛肉とステーキ肉では、生産コストがだいぶ違うでしょう。

新山:特にアメリカは、そこをはっきり分けています。①ステーキ用の肉を生産する業者②ハンバーグ用のグランドビーフを生産する業者③細切れ肉を生産するパッカー業者――食肉業者はそこまで専門化しており、それぞれがコストを追求しているのです。
 グランドビーフは、搾乳用の老廃牛や低品質な牛、高級牛のステーキを取ったあとの骨についているクズ肉から作られます。

[後略]
以上の対談またはインタビューは、今後、そのいくつかは単行本になる可能性を求めたいと存じますので、それまで、お買い求めいただいた料金は、制作費に回させていただきます。
また、放送局での収録を基にしたものについては、局アナウンサーの登場を現時点でカットしているものがありますこと、あらかじめお断り申し上げます。単行本になる場合には復活させる予定ですが、版元担当者の退職により、このシリーズの単行本化がかなり困難になってしまいました。そのため、ご要望にこたえつつ、各方面への配慮を両立させた試みですので、何卒ご理解を。  では引き続き、この対談シリーズ、お楽しみくださいませ。
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