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複雑さを探る:米沢 富美子(物理学者)×日垣 隆 

taidan_yonezawa160.jpg 複雑さを探る:
米沢 富美子(物理学者)×日垣 隆


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目次

「水と油」は敵なのか味方なのか
意外に身近な「アモルファス」
地球の裏側で同じことを考えている人がいた!
生命の解明に乗り出した人類
カオス研究の虎の穴・サンタフェ研究所
複雑系とは何か?
宇宙探査はカオスとの戦い
研究を取るか 結婚を取るか
つわりを吹き飛ばした夫のキツいひとこと
マーチングバンドのような渡り鳥
1901年に発表された「100年後の予言」
20世紀最大の発明とは?
透明なガラス 透けないガラス
丁半バクチでインチキはできない
終わりなき複雑系への旅

【米沢富美子氏プロフィール】

よねざわ・ふみこ氏は、1938年大阪府生まれ。理論物理学者。京都大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。同大学基礎物理学研究所助教授、慶應義塾大学理工学部教授を経て、同大学名誉教授。アモルファス(非結晶物質)研究の第一人者として世界に知られる。96年、女性として初めて日本物理学会会長に就任。84年に猿橋賞、89年に科学技術庁長官賞、2005年にロレアル・ユネスコ女性科学賞を受賞。著書『複雑さを科学する』(岩波科学ライブラリー)、『人物で語る物理入門』(上下巻、岩波新書)、『〈あいまいさ〉を科学する』(岩波書店)、『二人で紡いだ物語』(中公文庫)など多数。


立ち読み

日垣:量子力学は1920年代にほぼ解明しつくされ、1945年までに物理学の基礎的な部分はだいたいわかってしまいました。では、それから物理学者は何をやってきたのか。アモルファスのようにランダムな世界を調べてみるなど、今まで解明されてこなかった分野、注目されてこなかった新しい分野の研究に乗り出しました。

米沢:世に出された論文は、人類皆の共同財産です。誰かが書いた論文を元に別の研究者が研究を重ね、さらに別の研究者が考察を深めていく。先が見えないほどの階段を、一歩ずつ昇っていくようなものです。アインシュタインのような天才であれば、一人だけの力でいきなり屋上まで昇れてしまいます。そんな研究者は、そうそうめったにいません。大多数の研究者は、階段を一段一段地道に昇っていくのです。

日垣:先ほど「この事実に気づいたのは世界で私だけだ!」と確信したというお話がありました。電話を発明したのはグラハム・ベルだとされていますが、あと2時間の差でイライシャ・グレイに先を越されるところだったそうです。米沢さんの発見も、同時期に誰かが同じ内容を思いついていたことはありますか。

米沢:私が「コヒーレントポテンシャル近似」という計算法を生み出したとき、なんと世界で4人が同時に同じことを思いついていました。当時私は27歳でして、2歳か3歳しか違わない研究者が同じことを考えていたのです。カナダ人が一人、アメリカ人が二人でした。

日垣:それはお互いびっくりしたでしょうね。

米沢:二人は物理的側面から解釈し、私ともう一人は数学的な裏づけを与えました。数学的な根拠を与える理論を出すとき、今まで本に載っていないことを考えついたわけです。「こんなことを考えついた研究者は私だけだろうな」と確信していたら、なんとほかにもいた(笑)。

日垣:気の遠くなるような手間と時間をかけたのに、タッチの差で先を越されたら腹が立ってしまいます。「アイツは私の頭の中を盗み見やがった!」なんて八つ当たりしちゃったりして(笑)。新しい理論を編み出すまでには、生みの苦しみがあるだろうと推察します。

米沢:一つの結論を出すまでに、100の可能性を模索することもあります。ただし、100の可能性を検証していく作業が苦しいわけではありません。

日垣:モグラ叩きのように可能性を一つひとつ各個撃破していく作業は、苦痛どころか楽しみなのかもしれません。 米沢:おっしゃるとおりです。

日垣:そんな研究を積み重ねながら、子育てと二足のワラジを履く生活はさぞかし大変だったと思います。しかし実際には、お子さんを寝かしつけたあとにイヤイヤ研究の続きをやるわけではなかった。

米沢:それはもう、早く研究の続きをやりたくて嬉々としていましたよ。子どもには「早く寝なさい!」なんて叱っていました(笑)。

以上の対談またはインタビューは、今後、そのいくつかは単行本になる可能性を求めたいと存じます ので、それまで、お買い求めいただいた料金は、制作費に回させていただきます。
また、放送局での収録を基にしたものについては、局アナウンサーの登場を現時点でカットしているものがありますこ と、あらかじめお断り申し上げます。単行本になる場合には復活させる予定ですが、版元担当者の退職により、このシ リーズの単行本化がかなり困難になってしまいました。そのため、ご要望にこたえつつ、各方面への配慮を両立させた 試みですので、何卒ご理解を。  では引き続き、この対談シリーズ、お楽しみくださいませ。

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