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怒りとの正しいつきあい方:湯川進太郎(筑波大学大学院准教授)×日垣隆

怒り.jpg 怒りとの正しいつきあい方:
湯川進太郎(筑波大学大学院准教授)×日垣隆


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目次

「年をとると丸くなる」は本当?
義憤と社会的正義
怒りが発するシグナルと警告
「臭いものにフタ」で良いのか
自分と他人の一人往復書簡
アマゾンの悪口レビューもたまには役に立つ
愚痴とソーシャル・シェアリング
怒れる日本人が増えてきた?

【湯川進太郎氏プロフィール】
ゆかわ・しんたろう氏は、1971年愛知県名古屋市生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科(心理学系)准教授。94年に早稲田大学第一文学部哲学科(心理学専修)卒業。99年に筑波大学大学院博士課程(心理学研究科)修了。専門は社会心理学、臨床社会心理学、感情心理学。怒りや攻撃といった感情とのつきあい方、社会への影響について研究を続ける。著書『攻撃の心理学』(編訳、北大路書房)、『バイオレンス 攻撃と怒りの臨床社会心理学』(北大路書房)、『怒りの心理学』(編著、有斐閣)など多数。


立ち読み

義憤と社会的正義

日垣:人間の感情は、大雑把(おおざっぱ)に言って「喜怒哀楽」の四つに分類できます。「喜」と「楽」はポジティブな感情ですから、敢えてこの二つを抑えこもうとする人はいないでしょう。ネガティブな「怒」と「哀」については、できることなら避けたいとか、良い方向に転換させたいと考える人が多いと思います。
 湯川さんはこれまで「怒り」について研究を積み重ねてきました。「怒り」に興味をもたれたのは、そもそもどういうきっかけだったのですか。

湯川:私は最初、攻撃行動について研究していました。

日垣:攻撃はチンパンジーでもする行動ですが、怒りとは違います。

湯川:攻撃とはあくまでも行動面の現象ですから、感情面の現象である怒りとはイコールではありません。

日垣:攻撃の研究から発展して、「怒り」という感情の分野に興味をもたれたわけですか。

湯川:攻撃の研究をしていたときには、「暴力的な映像やゲームが、人間の攻撃行動を促進するのかしないのか」というテーマを扱っていました。最終的には「基本的に普段からよく怒っている人は、そうしたメディアに触れると攻撃的になる」という研究結果が出たのです。

日垣:怒りっぽくなくて普段から柔和な人は、攻撃的なメディアに接したからといって攻撃行動が誘発されるわけではない。



湯川:攻撃行動とは、どうやら暴力的な映像やゲームに接触したときの感情状態に強く依存しているらしい。そのことがわかってから、怒りの感情の重要さに興味をもつようになりました。

日垣:怒りにもいろいろな種類があります。自分のプライドが傷つけられたときの怒りと、電車で足を踏まれたのに謝罪されなかったときの怒りとでは、レベルがだいぶ違うのではないでしょうか。

湯川:故意に自分がバカにされたり不当に扱われたりした際には、基本的な感情認知として怒りが生じます。電車での例については、もう少し広い意味で生じる怒りです。自分が所属している社会や文化を規定したうえで、ルールや道徳を維持する。秩序を維持するために感じる怒りです。

日垣:電車で足を踏まれて感じる怒りには、社会性やモラルが関係してくる。

湯川:社会の秩序が乱されると、巡り巡って自分が住んでいる世界が脅かされると感じるのです。義憤といいますか、社会的正義に近い感情が生まれていく。政治家の汚職について人々が抱く感情も、これと同様です。

日垣:感受性の違いも非常に大きいと思います。政治家の汚職には頭から湯気が出るほど腹が立つのに、電車の中でケータイで話されることにはまったく腹が立たないタイプの人もいるわけです。
 相手の違いもあります。大切な相手に対して怒るときと、どうでも良い人に対して怒るときでは重要度が全然違うわけです。感情の抱き方は完全に千差万別ですから、そこを研究対象にするのはなんといいますか......すごく面倒くさくないですか?(笑)

湯川:はい、面倒くさい研究をやっています(笑)。

(後略)


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