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人生の転機、京都大学前総長に聞く:尾池和夫(地震学者)×日垣隆new.png

taidan_oike160.jpg 人生の転機、京都大学前総長に聞く:
尾池和夫(地震学者)×日垣隆


定価:800円 → 500円(税別) 特別割引実施中!


目次

心筋梗塞で死にかけた瞬間
ヴィヴァルディの「四季」は不謹慎!?
ノーベル賞受賞者に救われた命
喫煙は百害あって一利なし
患者になって初めてわかったこと
日本で生まれた新しい学問「地震学」
神戸のプールで見つけた不審な亀裂
たった5メートルの差が生死を分ける
築30年以上の建物には注意せよ
日本版「サンタフェ研究所」でイノベーション
月でも地震は起きている
学問は十人十色 何をやってもおもしろい!
読者からの質問_大地震の前兆現象とは?

【尾池和夫氏プロフィール】
おいけ・かずお氏は、1940年東京都生まれ。地震学者。京都大学理学部地球物理学科卒 業後、京都大学防災研究所で勤務。京大理学部教授などを経て、2003年12月より第24代 京都大学総長(2008年9月退任)。京大では学食で「総長カレー」をプロデュースし、 全国区で注目を集める。2009年4月より財団法人 国際高等研究所所長。日本ジオパーク 委員会委員長、福島第一原子力発電所事故調査・検証委員会委員なども務める。著書『 日本のジオパーク』(共著、ナカニシヤ出版)、『日本列島の巨大地震』(岩波科学ラ イブラリー)など多数。自身の公式ホームページでは、心筋梗塞との闘病記など豊富な コンテンツを配信中。http://homepage2.nifty.com/cat-fish/


立ち読み

患者になって初めてわかったこと

日垣:作家の柳田国男さんは、飛行機事故に関するたくさんの著作を書いていらっしゃいます。飛行機に乗っているときにガクンと落ちたときには「×時×分に×メートル落ちた」とメモしながら、気流の計算まで始めてしまうそうです。自分がピンチに陥っているのにメモしたり状況を分析してしまう性格は、尾池さんとも共通するような......。

尾池:ジャワ島の上空を飛んでいるときに、100メートルほど飛行機が落ちてしまったことがあります。コーヒーが天井にかかったり、あのときは大変な状況でした。

日垣:20メートル落ちただけでも相当ショックは大きいですが、100メートルですか......。

尾池:興奮しながら写真をパチパチ撮ってましたけど(笑)。

日垣:そのあたりは、研究者に共通する気質かもしれません。

尾池:ジャーナリストも同じではないでしょうか。何か事件が起きたときには、誰よりも真っ先に現場まで走り出す。90年11月以降、長崎県の雲仙普賢岳の噴火活動が活発化しました。91年6月3日には大規模な火砕流が発生し、取材陣や火山学者など大勢の人々が亡くなっています。
 カメラマンが取材中に亡くなったことについて、「なぜそんなに危険な場所に自ら突っこんでいったのか。誰かが止めるべきだった」という世論が沸騰しています。カメラマンの目の前で火砕流が起きたときに、現場に向かってカメラをもって走るのは当たり前ではないでしょうか。亡くなったカメラマンが非難されるいわれはありません。私が現場に居合わせたとすれば、同じように走って近づいたと思います。飛行機が落ちようが自分が病気にかかろうが、記録が残れば多くの人々の役に立つわけです。

日垣:闘病生活を当事者が記録すれば、入院生活のノウハウがほかの人々にも伝わります。病気の予防に役立てることだってできるわけです。

尾池:ニューヨークで心筋梗塞にかかり、たった1週間で退院したという人から連絡をもらったこともあります。その人は、医者が何を言っていたか全然わからなかったそうです。あとでインターネットの情報を検索していたら、私のホームページに突き当たって心筋梗塞のメカニズムや治療方法が全部わかった。その方からお礼状をいただきました。
 お父さんが心筋梗塞で入院してしまい、看病中だという娘さんからもお礼状をいただいたことがあります。ね、けっこう役に立ってるでしょ?

日垣:医師が書いた専門書はたくさんありますけれども、患者の目線で治療を記録したドキュメントは数がずっと少ないかもしれません。

尾池:そう、患者自らの記録はまだまだ数が少なくて珍しいのです。ある看護婦さんは、私のホームページを見ながら勉強会を開いてくれました。「病室の懐中電灯を使おうとしたら、電灯がつかなかった。これでは地震が起きたときに困る」なんて意見も私は遠慮せず口にします。そういえば、クスリを間違えて渡されたこともありました。

日垣:普通の人は、間違った処方箋を書かれたとしても全然気づきません。

尾池:「なぜこのクスリを間違えて渡されたのか」と、原因を徹底追及します。そうすれば、次から事故を起こさないために役に立つのです。

日垣:仮に不運なことが起きたとしても、現実を冷静に受け入れて未来に活かしていく。

尾池:京都大学の総長時代には、京大の付属病院ともずいぶんやり合いました。私が意見を言っても、怖い教授たちはなかなか言うことを聞いてくれません。私には心筋梗塞で入院した経験がありますし、患者の立場から意見を言うと迫力が出るのです。

日垣:迫力もありますし、体験者としての説得力もあります。

尾池:非常に具体的な指示ができるのです。「足の悪い人が病院にやってきたとして、タクシーを降りてから診察室までこんなに長い道を歩いていかなければならない。ここを歩いていけと言うのかキミ!」と叱ったところ、次の日から車イスが用意されてボランティアが待機するようになりました。患者の立場がわかれば、病院の運営者側に立ったときにまったく違う視点が生まれるのです。


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