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学校スポーツにも構造改革を:辻 秀一(スポーツドクター)×日垣隆new.png

taidan_tuji160.jpg 人体解剖実習の現場から:
学校スポーツにも構造改革を:辻 秀一(スポーツドクター)×日垣隆


定価:800円 → 500円(税別) 特別割引実施中!


目次

オリンピック選手のモチベーション
スポーツ心理学と「快」の発見
忍耐とド根性の鬼コーチ
「巨人の星」と「アタックNo.1」の罪
哲学書としての「スラムダンク」
「体育+知育+徳育=スポーツ」という発想
「心技体」から「心体技」への転換
無月経と骨粗鬆症と摂食障害
経済不況とスポーツのリストラ
お説教と反省会廃止のススメ
読者からの質問①_ソフトボール最強伝説は本当?
読者からの質問②_ウインドミル投法は肩を壊す?
読者からの質問③_ソフトボール必勝チームの法則
読者からの質問④_メンタル・マネジメントとコーチング
読者からの質問⑤_命をかけた早慶戦
オリンピックとクーベルタン男爵の精神
水も飲めない部活の1年生
カール・ルイスとウサイン・ボルトの笑顔
ノーコン・ピッチャーと草野球
言葉の力とアカウンタビリティ
小出義雄監督とQちゃんの距離感
もっとスポーツを楽しもう!
読者からの質問⑥_精神と肉体のクロス
読者からの質問⑦_老若男女のスポーツ塾
ハイジャック機で墜落しかけた恐怖

【辻 秀一氏プロフィール】 

1961年、東京都生まれ。スポーツドクター。株式会社エミネクロス代表。北海道大学医学部卒業後、慶應義塾大学で内科研修。映画「パッチ・アダムス」をきっかけにQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の重要性に着目し、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターでスポーツ医学を学ぶ。99年、QOL向上のための実践の場としてエミネクロスメディカルセンター(現:株式会社エミネクロス)を設立。パフォーマンスを最適・最大化する心の状態「Flow」を生みだすための独自理論「辻メソッド」によるメンタルトレーニングを展開。「辻メソッド」はスポーツ界のアスリートのみならず、ビジネス界、教育界、音楽界に幅広く活用されている。著書『スラムダンク勝利学』(集英社インターナショナル)、『演奏者勝利学』(ヤマハミュージックメディア』、『一瞬で心を「切り替える」技術』(日本実業出版社)など多数。http://www.doctor-tsuji.com/




立ち読み

「巨人の星」と「アタックNo.1」の罪

日垣:アニメやマンガは、日本人のスポーツ観に良い面も悪い面も両方の影響を与えました。1961年生まれの辻さんや1958年生まれの私の世代は、小学生時代に土曜日の夕方6時からみんな「巨人の星」を観て育っています。

:ええ、男の子ならみんな「巨人の星」を観ていました。

日垣:「巨人の星」は、とにかく根性と忍耐ばかりで突き進みます。バスに乗ったときにはつま先立ちして脚力を鍛えなければいけませんし、練習はとにかく量をこなすスタイルです。あの親子は、決して野球を楽しんでいるようには見えませんでした。

:特にオヤジの星一徹が最悪でした(笑)。

日垣:アニメやマンガが日本のスポーツに与えた影響は、相当大きなものがあると私は常々思っているのです。「巨人の星」にあこがれて野球少年になったり、「キャプテン翼」がきっかけでサッカーを始めたり、女の子であれば「アタックNo.1」を観てバレーボールにあこがれるようになったのでしょう。スポーツの裾野を広げたのは良い面ですが、悪い面も多々あります。
「巨人の星」にしても「キャプテン翼」や「アタックNo.1」にしても、登場人物はとにかく大量の練習をこなさなければいけません。とにかくひたすら汗を流す。「コイツらは普段スポーツ以外に何をやっているのだろう」と首をかしげるほかありません。
 辻さんはバスケットボールのマンガを題材にした『スラムダンク勝利学』(集英社インターナショナル)という本を書きました。この本の中で、辻さんは井上雄彦(たけひこ)さんの「スラムダンク」を高く評価しています。

:「スラムダンク」は哲学書であり、実に素晴らしいマンガです。私自身もバスケットボールを長年やってきたわけですが、「スラムダンク」はバスケ愛好家だけに読まれているわけではありません。あのマンガは読者の垣根を越えて、なんと累計1億冊以上も売れているのです。

日垣:そんなにですか!?

:全31巻で1億冊です。つまり、各巻平均300万冊以上売れています。

日垣:印税がうらやましい(笑)。主人公の桜木花道は、元不良の自称天才です。自称天才と言いつつかなりのオッチョコチョイなのですが、桜木はズッコケながら日々成長していきます。バスケ部に入った動機は、キャプテンの妹に一目惚(ぼ)れしたことでした。コミカルなキャラがマジに成長していく様子は、「巨人の星」とは対照的です。

:「スラムダンク」のドラマの描き方は、とても現実的なのです。ひたすら練習に耐えに耐え忍ぶことを美徳とするのではなく、バスケに一生懸命取り組みながら楽しんでいく素晴らしさが伝わってくる。「一生懸命スポーツをやっているといいことがあるぞ」というメッセージが、非常に身近に感じられるのです。
 いろいろな個性の人間がそれぞれの個性を主張してコミュニケーションを取りながら、ひとりひとり成長していく。成長した個人の集合体が、チームとして素晴らしい結果を出していくのです。リアリスティックな「スラムダンク」のドラマには、とても感動します。

日垣:辻さんは先ほど「スラムダンク」が「哲学書」だとおっしゃいました。それはどうしてですか。

:欧米ではスポーツ心理学のことを「educational sports psychology」と呼びます。スポーツ選手である前に、人間としての生き方、心理学(psychology)を教えていく。人間として成熟するための教育が非常に重要だという教えが、「スラムダンク」にはたくさん散りばめられているのです。
先ほど私は「内発的動機を育てるために、変化を大事にしましょう」と申し上げました。こうしたメッセージも「スラムダンク」には描かれているのです。昔は選手をしごきまくる鬼コーチだった安西監督というキャラがいます。

日垣:メガネをかけて太っていて、口数が少なくおっとりしたコーチですね。マンガを読んでいると、元鬼コーチとはとても信じられません。

:桜木たちを指導する安西監督は、かつてとは違って選手を褒められるようになりました。ひとりひとりの選手の良いところを見つけていくようになったのです。
「スラムダンク」の登場人物は、練習量をひたすらこなすことを重視しません。短い時間の中でも効率良く練習し、時間の質を大事にしているのです。「一生懸命やることそのものが大事なのだ」「仲間に感謝することが大事なのだ」というメッセージも強く描かれています。

スポーツに限らず、入学試験でも仕事でも子育てでも、自分の力を出しきるために何が必要なのか。educational sports psychologyが重視するメッセージが、「スラムダンク」には山ほど描かれているのです。

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