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給与時代の終焉、赤字は罪

 私はたまたま学生時代からイベントをよくやってきました。

「ガッキィファイター」や「クレド勉強会」としても、すでに50回以上のイベ
ントを開催してきたのは、おそらくご存じのとおりです。

 最初のころは、会場探しやら、マイクの数や、コーヒーをどうするかとか、
机の並べ方はどうするか、司会や、私自身のプレゼン方法など、試行錯誤を繰
り返し、そういうことを自らやってみることで、ようやく身体が、おそらく
100近い細かなノウハウを覚えてくれた、というのが実際です。

 できないことは、できる人に頼む、というのも当然アリです。
 むしろ基本かもしれません。

 が、たくさんやる機会があるイベントやモノづくりや新規の販売に関しては、
見取り図や初期設定や仕組みについて、ぜひ自ら関わることをお薦めします。
 それを抜かして外注すると、ひとことで言えば、大変なリスクを背負うこと
になるだけでなく、軌道修正すらどうやってやったらいいのか、わからなくな
る公算大だからです。

 さて、話を戻して。
 たまたま私はイベントに慣れているつもりでしたが、一昨年の9月18日に、
「読まずに死ねるか古典講座&名作落語をライブで聞く会」という企画を開催
しました。


 このイベントでは、(1)私が古典落語に魅せられた師匠に、(2)私が最も
やってもらいたい演目(ネタ)を依頼する、という点で、初めての試みでした。

 これまでのイベントに共通するノウハウ、例えば、従来にも必要な(!)参
加者人数の読み(普段はかなり正確に予想します)や買い物カゴの作成やPR
などとともに、(3)出演交渉はどうやればいいのか、(4)ギャラはどのくら
いが適切なのか、渡すタイミングというものがあるのか、(5)当日の送迎や
出迎えをどうするか、(6)そもそも私にとって偉大な師匠に、師の得意演目
(オハコ)では必ずしもなく(CDにも入っていない)、この私メが大好きな演
目を頼むのは失礼ではないか、あるいは大変なご苦労(挑戦?)を強いてしま
うのではないか、(7)さらに落語には必ず必要な高座(舞台の上に台座をつ
くり、布をかぶせ、その上に大きな座布団を載せる)を作らなければならない、
(8)落語家によって出演時の出囃子(音楽)が異なるため、それをどうやっ
て用意すればいいか――などなど、初体験なことばかり――でした。

 それだけではありません。

(9)このイベントは、5年前にやった古典講座の2回目という位置づけであり、
それだけではつまらないので、メルマガ読者を中心に、「読まずに死ねるか古
典講座&名作落語をライブで聞く会」と題したのであり、基本は読書会です。
そこに、古典落語を入れるのは、(タイムテーブル上)どこがふさわしいか。
結局この点については、3部構成とし、「生きた古典」と「ライブは最高」の
先端をゆくつもりで、ちょうどうまいこと第2部に、感動的な古典落語をやっ
ていただくことになった次第です。


 私が言いたいのは、こういう未知の世界に、さまざまな方々の協力を得なが
ら(師匠にコネをつけてもらった方、知り合いの落語家、落研出身のスタッフ、
会場の協力などなど)、緊張はあるものの、かなり愉しく、自ら交渉に走るこ
とで得るノウハウはかなり大きい、という点です。

 それから、これも「ここだけの話」ですが、収支で言いますと、私が得た純
粋な報酬は50万円くらいです。私の講演料(2時間)と同じですから大したこ
とはないとも言えますし、原稿用紙の升目を一つずつ埋めていく営為に比べれ
ば高いかもしれません。
 文筆での愉悦を忘れぬため、私は講演は基本的に断ることにしました。
 私は一度として同じテーマで講演したことはありませんが、2時間で数十万
円を手にするのを「普通」と感じるようになったら、人間の成長意欲の肝要な
部分が腐ってゆく道程と思えるからです。

 企画立案実行は、18歳の時にオフコースを呼んで以来、プロ並みというか、
相当なスキルを蓄積もし、独自のノウハウも得ました。赤字だったことは一度
もありませんし(赤字は出演者を含む皆に失礼ですし、そもそも継続できなく
なります)、そうしてまたこの30年あまり、出演を心から望んでその気持ちを
伝えて断られたことも一度もないのですよ。

 話は少し飛びますが、公務員だって、就業禁止規定のある会社員だって、兄
弟姉妹や従兄弟姉妹にでも名義を借りて、「楽しく稼ぐ」ことをすればいいだ
けです。

 しかも、ひと様に(きっと)喜んでもらえて、自分の勉強にもなり、尊敬す
る師匠に、自分の好きなネタをやってもらえて、師匠にも喜んでもらえる。立
川談四楼師匠も、永遠に寄席や舞台に立ち続けられるわけではありません。


 ライブは1度きり――そう思いませんか?


 いま、私の大好きな志ん生(故人)をナマで聞きたくても、それはもう絶対
に叶わないのです。

 お恥ずかしい話をしますと、私は、自分で主催するイベントのたびにスーツ
を「そのためだけ」に作ります。

 なぜか――。


(1)緊張を維持するためと、

(2)なおかつ最も動きやすいものを着るため、

(3)これは月に1度は、オーダーメイドを通じて、新作の生地や、来年の流
行を肌で知るためでもあります。そんなことをしている人は芸能人やタレント
ならいるかもしれませんが、しがない物書きにはまず皆無に近いでしょう。
 となれば、そんな出費を取り戻すのは朝飯前になります。

(4)ついでながら、「そのとき1度だけ」しか着ないので、確定申告時には経
費になります(正当な経費と言えるので、税金がかからないという意味です)。
税金を余分に払わなくていいだけで、出費という意味では単純なポケットマ
ネーからの出費です。必ず私が考え出したアイデアをそのスーツに採り入れま
すが、1カ月後に行くと、これまで一度も例外なく店頭に飾ってあります。伊
勢丹本店でも、ゼニアでも。

 このような体験が25年も重なれば、いつのまにか私の得意分野の一つになっ
て、例えばファッション業界の専門誌(私はプロの書き手なので、ファッショ
ン専門ライターの20倍前後は原稿料をもらえます)で書くときも、これらの稀
有(けう)な体験と独自取材はとても役に立ちます。

 転んでもタダでは起き上がらない、そんな精神が大事、というお話でござい
ました。

■どうしても、すぐ年間1,000万円くらい所得を増やしたい方へ。
 そんなことはしたくない、お先にどうぞ、という方は、無視してください。

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(たった1日あれば普通なら元は取り戻せます――やる気のない方、やサラ
リーが永遠に続くと信仰している方はお断り!)


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