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「北朝鮮 核の脅威増大と制裁強化」異論

 北朝鮮が、この1月6日(昨日)に水爆実験を成功させたとの証拠写真として朝鮮中央テレビが金正恩(キムジョンウン)第1書記の姿を映しだした。まず、これ自体ヘンだよね。どんな国々との、あるいはどのような外交文書として、このような「水爆実験に対する文書」などが存在し、そもそも誰に向かって署名しているのか、ちょっと考えてみたほうがいい。自作自演である。この国に弾道ミサイルの技術がないことは明白なのだ。
 テロリストたちと同じように、北朝鮮の金正恩は、その父やまた祖父らとともに、危ないことをやらかそうとしてはそのたびに国際世論を大きく動かし、そのことで必ず何かを得てきた国なのである。

 いま、日本のマスメディアや個々人の論調はほぼ全部が私の知る限り(それだけにあてにならないかも)、核の脅威増大なるものに対し北朝鮮の行動に激しく怒り、国際世論に向け制裁強化をせよと例外なく言っているように見える。

 みんながこのような意見を述べることを最も喜んでいるのは、誰か。言わずと知れた金正恩である。とりわけ日本や韓国を中心とする近隣諸国や、できるならば安保理あたりまでひっぱり出してきて関心を北朝鮮に引き寄せ、その結果として核を武器にまたしても大きな交渉が成立する。何度も何度も同じ「核の脅威」やらでいったい、どれだけの利益をこの国が受けて来たか。経済制裁すら、その犠牲は弱き国民に全て丸投げされる。私は北朝鮮の現地を三たび訪れ、金王朝の人々が、いかに国民を犠牲にしてきたかを見てきた。

 なんで、これほど単純明快な北朝鮮の戦略を、見抜けないかなあ。

 日本は1945年の夏、2発もの原子爆弾を米国に落とされ、さらにそのうえ1954年に水爆実験に日本の漁船がさらされた第五福竜丸事件があった。核で怖いのは北朝鮮ですか。

 中国が数千もの核兵器を持ているだけでなく、水爆実験に何度も成功していることは非難に値しないのですか。百歩譲って、常任理事国だけが核兵器の保有を認められるという屁理屈をあえて引き受けたとしても、ならばイスラエルの公然たる核兵器所有は、どうして非難されないのか。韓国に少なくとも100基前後の核兵器が配備されていることは、なぜ国際ルール違反として認定されないのか。

 インドに対抗して北朝鮮並みに危ないパキスタンが核兵器を持っていることは常識になっている。インドもパキスタンも、それぞれその事実を認めているだけでなく、IAEA(国際原子力機関)もその事実を公表しているのである。

 アメリカとて、自国や各国での原爆や水爆での数百回に及ぶ実験と、日本にぶっ放してきた原爆水爆の実行などをしてきただけではない。1962年10月16日から10月28日にかけて(いわゆる「13デイズ」)秘密裏にフルシチョフのソ連がキューバ共和国に多くの核弾頭を配備し、アメリカの首脳が気づいたときには1300万人余りが最低でも即死するという局面に向き合わなければならなかった。米国側の最高責任者は、J・F・ケネディである。

 この13日間についてアメリカ側とソビエト側の証言は大きく食い違う。我々の大統領とその周辺のブレーンによってこの歴史的危機が避けられたという意見と、フルシチョフの思惑通りに実は事が進んでいたという数々のエビデンスがある。アメリカに花を持たせてもいい、ソ連の有利な数々の証拠を検証してみるのもいいと思う。肝心なことは核保有国にとって、核が敵国などの脅威になっている限り意味があるのだが、核を使われることは悪夢なのである。そのことをアメリカ自身も強烈に学んだのがあのキューバ危機だった。

 マスメディアでは例外なく(たぶん)北朝鮮を裏切り行為などと非難している。基本的なことを尋ねておきたい。キミたちは、それほどまでに北朝鮮を信用していたのか。

 金正恩が仕組んだ稚拙なシナリオが狙っていることは、先ほども言ったように日本やアメリカや国際社会が一人芝居に相乗りし、「核の新たな脅威」やら「北朝鮮の裏切り」などと大騒ぎしてくれることである。

 そろそろ結論に入りたいと思う。

(後略・・・・・・ 続きをお読みになりたい方はメールマガジンをお申し込みください)

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