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トランプ異論

 米国大統領トランプ候補の、選挙戦術は上出来だった。金にモノを言わせたのはクリントン女史のほうだったし、票数に大きく差をつける州を確実に抑えたのはトランプだった。
 トランプといえばカジノ好きゆえ、さすがトランプと皮肉られたものだが、52枚で1セットのトランプは和製英語であり、かるたはポルトガル語である。日本以外では(プレイング)カードと呼ばれる。
 なぜこんなくだらないことを敢えて冒頭に書いたのか。そんな気分であっただけである。

 いや、昨日の開票がトランプ優位になりつつあった(日本時間の)午後4時前、在米のマスコミ記者は呆然としていた。顔は見ていないから呆然とは分からないが、そういう正直な愚痴で溢れていたのは確かなことだ。
 私は仕事をしながらNHKをチラチラ見ていたのだが、田中さんという在ニューヨークの解説者は、午後4時前まではずっと「予想どおりの闘い」とは言いながら「クリントン優位」というスタンスを1度も変えなかった。4:03分にクリントン陣営のトップが「結果判明は深夜になりそうなので、いったんお帰りください」と支援者にマイクを通して告げ、その4分後にクリントン女史本人がトランプ氏に敗北宣言を電話で伝えた。

 いったんクリントンの敗北が決定的になると、田中さんは淀みなく8点に渡って敗因をスラスラと語ったのだ。すごい。予定稿というヤツである。逆の結果なら当然、真逆の予定稿を暗記していた。さすがだよね。

「まさか、こんなことが」とつぶやいたニューヨーク支局員や北米総局の社員記者たちは、むしろ誠実だと思う。が、米国大統領のシステム上、最終決戦は「どちらが勝ってもおかしくない」のが普通なのである。が、記事や放送では「解説もの」と「暴動もの」を拾う。またしても「思い込み」に縛られている。
 じゃあお前はトランプ氏が勝つと明言していたのか、といえば、ずっと明言していた。少なからぬ人が知ってくれている。なぜそういうベットができたのか。はっきり言って「まぐれ」だ。

 米国大統領選挙は、なかなか事前に確信をもって予想できるものではない。理由が当たっていても結論が違うこともあり、マイケル・ムーアのように理由がめちゃくちゃでも結論が合う場合もある。
 トランプ大統領が誕生する理由は幾つでも挙げられた。クリントン女史では、何も変わらない。右手で武器を売り、左手でテロとの闘いと手を振る超偽善は当然継承され、たとえばアーカンソー州知事に初めて立候補したときと比べて(落選)、今年8月におけるクリントン家の資産は3,260倍に増えている。驚きませんか、この錬金術! さすがプロ!

 これが「プロの政治家」という意味ならば、歴代かつ世界中の大統領や首相が同様だ。総統や首領や、さらには元帥もまた。
『職業としての政治家』を書いた(講演した)マックス・ウェーバーは、「政治家のプロの代表格は党の専従者たちである」とハッキリ言っている。変わったものだ。

 ハッキリしているのは、あらゆるひとが「未知の可能性」をもっており、それは良くも悪くもである。誰もが「初めて」を一度は通過する。
 初めての米国女性大統領なるか、初めて大統領の馬鹿ムスコが、初めてアイルランド移民のカトリックが、あるいは田舎の州知事に落ちまくったものが、そしてまた初めての黒人大統領が――。
 そういうものなのである。「初めて」は即話題となり、記事や放送の支柱になると相場が決まっている。だが、それが何か?
 初の民間企業経営者が、大統領候補になることが、それが何か、と問いたいだけだ。

(後略...続きは「ガッキィファイター」メルマガで)

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