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確率思考欠落症の方は、ぜひ年末ジャンボ宝くじを!

 確率思考をある程度もたないと、「壊れた羅針盤で人生航路をゆく」ことになってしまいます。
 何度か言い続けてきたことなので(1年前のメルマガ〈2010年11月10日号〉や『世間のウソ』新潮新書や『楽しく稼ぐ本』だいわ文庫)、もう聞き飽きた方もおられるかもしれません。

 私が心底懸念するのは、1万円で4,500円を買うようなバカな賭博(宝くじは世界最低のギャンブルです。断言)であることを知らずに「買わないと当たらない」などと言い切ってしまう人々です――そりゃ30億円の1セットを買えば必ず当たります。ただし戻ってくるのは、「当たり」の全種を合計して15億円足らず。

 寄付をしたいと思うなら、東北やソマリアに届くようにしましょうよ。
 まともなギャンブルをやりたいなら、他に山ほどあります。
 自分の足場をきっちり固めて社会貢献をしたかったら、クレド会員になりましょう。
 夢を見たいのなら、寝てください(笑)。

 ともかく――。
 搾取率(正しくは控除率)が世界で最も、異様に高いのが日本の宝くじです。

                  *

 今年も、年末ジャンボ宝くじの販売が11月下旬から始まっています。
「買わなきゃ、そもそも当たらない」という屁理屈――誰かは必ず当たるのですが、それがあなたや私である確率は、あなたや私が宝くじを買って家に帰るまでに交通事故に遭う確率より低い、という事実をよくご存じの「ガッキィファイター」読者諸兄は、そのような屁理屈にはだまされないと思いたいところです。この1年間にも多くの方が新たに読者に加わってこられたので、改めて申し上げたいと思います。

 先進国では日本だけがご法度のカジノにおいて(これは警察の天下り利権がパチンコ産業になっているため、というのは業界の常識です)、ブラック・ジャックなら勝率52%です。これに対して――。
 宝くじでは1等当籤(とうせん)確率は、たったの0.0000001%なのですよ。

 2010年の年末ジャンボ宝くじは、《昨年より倍増! 億万長者444人!!》と PRされました。1等2億円が74本、2等1億円が370本。あわせて444本というわけです。2×74+370で、合計金額は518億円になります。
 1億円以上が444本も当たる!
 それだけで合計518億円!
 ただし、その分母は、それぞれ7億4,000万枚と2,220億円ですよね。
 昨年末にも、長い列に並んだのは正解なのでしょうか?

(後略・・・・・・ 続きをお読みになりたい方はメールマガジンをお申し込みください)

 ついでに言っておきますが、「この売り場では当たる」というのはウソです。もし本当なら、イカサマか(これはありえないでしょう)、高額当選数が常に多いのであれば、それはただ、そのようなPRを真に受けて、そこで買う人が多いからだけです。
 あたりまえですよね。

 そして今年(2011年)の年末ジャンボ宝くじでは、1等(2億円)の当籤確率が昨年の2倍(昨年は発売総計66ユニットのうち66本が今年は132本)になったと、あの「みずほ銀行」は盛んにPRなさっております。
 その代わり、「元をとれる」程度の小さな勝ち(7等の300円、6等の3,000円、 5等の1万円、4等の50万円、3等の100万円)は半分程度になっているわけです。さすが銀行関係者は計算が鋭い。というか、こんなのマヌケなからくりですよね。

「今年は高額当選者が2倍」というのは、(控除率や発行本数が同じならば)「今年は庶民への多くの当選者が半減」というのと、同じメダルの表裏です。

 今年は6億6,000万枚(1,980億円、1枚300円)が発売されるのですけれども、 1等が当たるのは、前述したとおり、昨年の2倍で132本。6億6,000万分の132ですよ。0.0000002の確率です。

 皆様。ここに10名がお集まりだといたします。
 私が胴元になって、「全員、1万円ずつ出してください。10万円でも結構です。あ、30万円集まりましたね。このうち私は堂本、あれはジャニーズです。私が胴元ですから、18万円は先にいただきます。残りの12万円のうち、何と1 等(8万円)は2本、2等(2万円)も1本あります。すごいでしょ! お金をいま出さないと絶対に当たりませんよ」と言ったら、ご機嫌よろしゅうございますか。

 10名なら絶対にやらない(すぐに確率計算や、控除率の高さがバレてしまうからでしょうね)のに、6億6,000万枚とかになると、控除率の高さによって如何に莫大な「捨て金」がばら撒かれるか、どれだけ多くの人が損をするか、計算から「飛んで」しまうのでしょう。

「買わなければ当たらない」と言いますが、「外に出なければ車に轢(ひ)き殺されない」というのと本質的な違いがあるのか、という問いを敢えて立ててみたい衝動にかられます。

 ここで、2009年と2010年の年末ジャンボ宝くじを比較してみます。
 2009年は、1等2億円が70本、2等1億円が140本、合計210本でした。これに比べると2010年はずいぶんと景気が良いように見えますが、2009年の「元気に 2010年賞」(100万円×7,000本=70億円)がなくなり、2010年に「年忘れラッキー賞」(3万円×74,000本=22億2,000万円)が新設されていたり、3,000円の当選が700万本(210億円、2009年)から222万本(66億6,000万円、2010年)までざっくり減らされており、削減分を2等賞金に回した、というのが真相です。

 前述したとおり、2011年は1等や2等が増えたと言いますが、一番「当たりそう」で、かつ当たったらかなり嬉しいと思える100万円(3等)は、2009年には 7,000本、2010年には7,400本あったものの、今年2011年には1,320本(1ユニット当たり20本だけ)出るようにした、というだけなのですよ。

 宝くじで1億円以上を当てた友人は私の周囲にもまったくおりません。1万円や10万円くらいなら何人かいます。1万円で「当たった」と喜べるのは、せいぜい10枚(3,000円分)以下しか買わなかったときくらいでしょうが、当たりは当たりです。この層を増やそうとしたのが2009年であり、2等1億円を何倍か増やして、よりギャンブル性を高めたのが2010年および2011年ということになります。

 さらに、ここで見逃してはならないのは、1等に当選する確率は98年以前の 4分の1に下がっている、という事実です。


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