ID:

パスワード:

«    社説

前の記事| |次の記事

来年はどんな年になるのだろう、否、どうすべきか

 世界中の市場に今、静寂が訪れている。  外貨信用取引も、株のマーケットも、休暇に入った。  そこに深くかかわる人々は、「激烈な1年が終わりつつある」ことに安堵してはいるだろうけれども、年明けもまた「何が起きても不思議ではない」ことが続く予感を最もリアルに体感できる立場にいただけに、日本の能天気な閣僚や著名エコノミストたちよりも数段深く悩ましい年始年末となっているに違いない。  いつもは激しく上下乱舞する「値動き」も、ピタリと止まったままだ。  まるで三陸沖やチェルノブイリで停止したままの時計の針のように、動かない。  1ドルが76円台になって幕を閉じている。象徴的だ。  そしてついに、1ユーロが100円台を切ったまま年を越す。  ドルとユーロに対してだけ円高なのだ、と多くの専門家たちはマスコミを通じて発言してきた。  だが、ありとあらゆる通貨に対して、円高なのである。  3週間前まで1オーストラリアドルは80円台だった。今は78円台だ。  スイスフランに至っては3カ月前に135円までいき、現在は81円台なのである。  イギリスポンドも、135円の長い時代が遠い昔のように感じてしまう。ポンドも、ついに「ここだけは切るまい」と断言されてきた120円をあっさり突き抜けて、今年を終えた。  この現象を明確に説明できる人は、おそらく世界中に誰もいない。  バフェット氏なら、説明できるかもしれない。  日本に目を転じれば、例えば勝間和代さんは投資信託を薦めまくって半値になり、多くのファンたちの財布をスッカラカンにしたうえ、ご自分では「銀行にお金を預けるな」と言いながら印税や講演料を銀行に預けており、自動車に乗るのは不合理と日本で最も熱い論客だったのに、自動車運転中に事故に遭い、あっさり自説との乖離(かいり)が白日の下にさらされた。  カリスマ・トレーダー藤巻健史氏は、「2011年は1ドル200円時代だ」とハッキリ断定していたのを、ご本人は忘れたのか(忘れるわけないよね)、今度は「1ドル50円の到来だ!」と言っている。  どうなっているのだ、日本のカリスマたちは(笑)。  この10年ほど(つまりユーロという共通通貨が誕生して以来)欧州を旅していれば、すぐにわかることだが、あまりにも経済レベルに比して高すぎた。ドルも、ポンドも、オーストラリアドルなども然りである。 「ビッグマック」は4米ドル前後で、多くの国々で売られている。  アメリカでは、先日ニューヨークに行ったとき、やはり4ドルだった。ビッグマックを含めて、その国で売られている全世界共通の商品は、その国の経済指標(賃金、失業率、物価、インフレまたはデフレ率、貿易収支、税金、素材の自給率――というより自足率で充分。自給100%論者は、アフリカやアジアや南米で高山民族の食生活を見てくれば良い――など)の総体を体現せざるをえない。  現在の円高は異常である。ビッグマックは、日本で320円(4.2ドル)、ニュージーランドで5.1ドル(4.4米ドル)、チェコでも70コルナ(4米ドル)、チリで1,900ペソ(4米ドル)、英国で2.4ポンド(3.9米ドル)、トルコで7リラ(3.9米ドル)といった具合である。税金が異様に高いノルウェーやスウェーデンは8ドルするが、税金を除けば同様の価格帯になる。  より正確に検証するために、ややこしい数字を敢えて捨象すれば、日本では 1ドル75円くらいでよく(幅はあって当然だが、140円とか、50円というのは不条理であり、起こりえない)、1ユーロが165円だとか135円というのは、ユーロバブルだったと言える。  1ユーロが、90円まで下がっても、対円では不思議でない。  これまでのユーロ高によって、ドイツの輸出型企業(ベンツやBMWやフィリップス社など)は対前年比で4倍とか8倍の利益を出し続けた。  これに投機筋が、ユーロ加盟国の国債に攻撃(売り投げ)をかけ、国家財政を追いつめた――のが昨年の出来事である。  次の攻撃(というか商売ターゲット)は、アメリカか日本かオーストラリアか。  すでにオーストラリアで戦闘は開始されている、と見ていいだろう。オーストラリアドルの、従来ではありえなかったおかしな動き(大きなブレ)が何よりの証拠だ。次は、アメリカではなく、おそらく日本だろう。  日本人投資家がアメリカのマーケットを攻撃(破砕)することは当面ありえないけれども、欧米の機関投資家が群れをなして日本にリベンジを果たすことは充分に考えられるからである。  新年にでも、あるいはもっと高値をつける円の様子を見て、どかんと売り飛ばせば、その差額は尋常ではない利益(と円建てで外貨や、通貨を円でもっている人は損)を出すことは、火を見るより明らかだ。  同志社大学の何とかいう教授の女史も1ドル50円時代! と騒ぎ立てているけれども、責任をとらない彼女の言うことなど、断じて聞くべきではない。  日本の企業は、大震災でダメージを受けた。株価が下がるのはやむを得ない面もある。それにとどまらず、何度かのショック(山一、ライブドア、リーマンなどの大幅下落)を通じて、それまで国債や日本株は日本人が買っていたのに(市場がドメスティックだった。つまり外国人の参入障壁が異常に高かった)、その日本人が、どんどん腰が引けてしまい、当初の8-9割が日本人個人投資家だった時代はすでに終わって、今や日本株の7割を海外の機関投資家(生保会社や証券会社や銀行や政府など)が買っている。  コントロールできるのは、日本人か、否か。わざわざ答えるまでもなかろう。  こんな事態の渦中にあって、専門家たちのテイタラクは極限に達している。 (後略・・・・・・ 続きをお読みになりたい方はメールマガジンをお申し込みください)

前の記事| |次の記事

 

ページ先頭に戻るトップページに戻る