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質問にどう答えるかは質問による、という定理

◆質問にどう答えるかは質問による、という定理(その1)


Q:前回〔サイトで購入した本の代金を〕銀行振込みにしたのですが、振り込まれたかどうかの確認はどのようにするのですか? と、いうわけで今回はクレジットカードで申し込みます。
 質問なのですが、日垣さんの本を読んでいた時に「何を読んでいるんですか?」と聞かれて、何と答えてよいか分からず、とりあえず「皮肉っぽくなる本です」と答えました。何かいい答え方はないでしょうか?

           (神奈川県、20代半ば、男性)


A:銀行に《振り込まれたかどうかの確認》は、最終的には通帳で行なっています。
 つか、そういうご質問ですか?


 誰が確認するのか、という意味でしたら、本の代金については長野でアルバイトに、メルマガの振込みについては東京のスタッフにお願いしています。
 もし、先払いを前提とする振込みなら、配送を遅らせないために時々刻々と(少なくとも集荷から時間を逆算して)チェックする必要があるでしょうが、後払いとクレジットカードだけでしたら、入金の確認は月に1度で充分となります。


 このサイトでは、いずれの場合も、おおむね86%がクレジットカード、13%が郵便振替、1%が銀行振込みといった割合です。このうち銀行振込みだけが、振込む側の手数料負担となります。
 郵便振替用紙には番号が打ってあり、クレジットカードは先払いですからネット課金会社が自動的にやってくれています。
 こんなことを、お聞きになりたいのでしたか。


《何かいい答え方はないでしょうか?》についても、本号で引用した『「知」のソフトウェア』の一節をお読みいただけると幸いです。


 と、これで終わってはあまりにも(そしてまたしても)皮肉っぽくなってしまいますので、もう少しだけおつきあいしますね。


《日垣さんの本を読んでいた時に「何を読んでいるんですか?」と聞かれて、何と答えてよいか分からず》とありますが、この場合に肝心なことは、誰に、どのようなシチュエーションでその質問が発せられたのか、ということでしょう。


 同じことを、あなたがよく本を読むような方だとは思っていない読書好きの先輩に訊かれた場合と、あなたに多少関心をもっている同僚に訊かれた場合と、喫茶店で偶然会った知人に挨拶がわりに訊かれた場合とでは、答えはおのずと異なってきます。
 つまり答えは、質問に大きく依存するのです。
 理想的な答えなどというものは、存在しえません。


◆質問にどう答えるかは質問による、という定理(その2)


 ただもし、あなたがお書きになっている「何を読んでいるんですか?」という問いかけが正確な表現だとしたら、あなたとそれほどまだ親しくはないけれどもあなたに関心をもってはいる女性である可能性90%だと思われます。


 そういう問いかけに対して《何と答えてよいか分からず》だったのは、あまりに突然のことだったか、そのような問いかけを誰かにされるとは思っていなかったか、その人からそのような問いかけをされるとは夢にも思わなかったか、のどれかでしょう。咄嗟に、《とりあえず「皮肉っぽくなる本です」と答え》たそのときに、相手は笑いましたか?
 笑ったのなら、かなり脈ありです。


 が、やや懸念すべきは、そこで会話が終わった可能性についてです。
 そもそも、一般的に考えて、このような質問(「何を読んでいるんですか?」)は読書にそれなりの自信や体験がないと、なかなか発せられるものではありません。
 たいていは、会話のきっかけを求めたのでしょうから、そこで会話を終わらせたら、まずいと思います。その続きは、何かなかったのでしょうか?
 まさか、「皮肉っぽくなる本です」と言って、会話を続けず本にまた視線を落としたんじゃあないでしょうねえ。


 関心のある相手であれば、ぜひ明日にでも、「先日の会話の続き」に挑んでみてください。
 あなたは、たぶん「皮肉っぽい」青年ではないと思います。皮肉過剰な人は、私の本など読まないと思うからです。
 そすれば、《とりあえず「皮肉っぽくなる本です」と答え》たとき、相手はちょっと理解に苦しんだのではな
いでしょうか。


 逆に、本を読んでいる途中でもしあなたが不意に笑っていたのだとしたら、それが気になって訊いただけでしょう。たいてい誰だって気になります。
 そういう自然な流れのときは、著者名なり書名を普通に教えてあげればいいのではないでしょうか。


 最後になりましたが、強いて私の希望を、小さな声で申し上げますと、「おもしろくて、いろいろ考えさせられる本」と思ってもらえるのが、一番です。そのようなものを、書きたいと願っているだけですが力及ばず、ごめんなさい。

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