ID:

パスワード:

«    一読即決

前の記事| |次の記事

リーバイスとレヴィ・ストロースとロバート・B・パーカー

 Levi’s(リーバイス)のジーンズの創業者として知られるリーバイ・スト
ラウス。本社はLevi Strauss & Co.であり、日本法人もリーバイ・ストラウス
ジャパンです。
 こうやって表記すると、ちょっとびっくりしますよね。フランスの構造主義
人類学者であるレヴィ・ストロース(Levi Strauss)をご存じの方には。
 まったく同じ表記なのですね。カリフォルニア主張中のレヴィ・ストロース
がレストランで名乗った際、お店の人に「ジーンズの? それとも本を書くほ
う?」と尋ねられたというエピソードが残っているそうです。


 私もつい最近まで二人が同一表記だということを知らずにいたのですが、た
またま「週刊読書人」2009年1月16日号の1面を見ていてさらに驚いたのは、
本を書くLevi Straussのほうがまだバリバリ元気で、昨年11月28日に100歳の
誕生日を迎えたという事実です。


 話はやや逸れますけれども、この「週刊読書人」の一面トップに「100歳を
迎えたレヴィ=ストロース」という長い評論を書いている小田亮(おだまこ
と!)という成城大学の先生は、レヴィ・ストロースおたくに相応(ふさわ)
しく、こんなおたくな文章を書いています。その一例として《いうまでもなく》
という表記にご注目ください。《いうまでもなく》は一体どこに係(かか)る
のやら。


《『裸の人1』は、いうまでもなく全四巻からなるレヴィ=ストロースの主著
『神話論理』の第四巻の第一分冊に当たる。『裸の人2』は四月に刊行予定で
……》(「週刊読書人」1月16日号)


 一般読書紙だということを忘れたおたくな文章をずんずん読んでゆくと、ひ
とりよがりぶりはさらにエスカレートします。


《『裸の人1』の最初のほうに出てくる北アメリカ北西部のクラマス社会の
「鳥の巣あさり」神話(神話番号M530a)が、遠く離れたアマゾンのボロ
ロ社会の基準神話(M1)と驚くほど似た骨組みを持っていながら、M1が
たった一軒の家を除いたすべての火を消す雨の起源神話であるのに対して、M
530aがたった一軒の家を除いて覆い尽くす「火の雨」を語る神話であるな
どの逆転が見られることや、『裸の人1』の最後に登場するプレーンズ地方の
ネズパース社会の神話M661が……〔後略〕》


 編集者は「もうちょっとわかりやすい書評」をお願いすることはできなかっ
たのでしょうか。
 さて、この記事の左隣には、ロバート・B・パーカーの写真が載っています。
今も存命中ですが、この写真は1984年のもの。パーカーは、めちゃくちゃカッ
コいい私立探偵スペンサーを生みだしたハードボイルド作家です。なのに。
 25年前すでに体重250ポンド(113キロ)もある巨漢で、椅子からずり落ちそ
うな御姿なのでした。


 知り合いの薬剤師(薬局勤務の人はたくさん本を読む人が多い)に教えても
らって、ロバート・B・パーカーの『誘拐』『約束の地』『初秋』『残酷な土
地』『儀式』『告別』『晩秋』『沈黙』『背信』などなどを夢中で読んだもの
です。
 時を忘れる読書。村上春樹も愛読するパーカー。
 なのに。

前の記事| |次の記事

 

ページ先頭に戻るトップページに戻る