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「天才マイナス努力」に「凡才プラス努力」は必ず勝てる

★ 「天才マイナス努力」に 「凡才プラス努力」は必ず勝てる ★


 正確に引用しておきます。


《「天才マイナス努力」には、「凡才プラス努力」のほうが必ず勝てる。》 (本多静六『私の財産告白』P190)


 大切な人生の指針を、もう一つ。


《身のほどを知る――〔中略〕平凡人は平凡人としてひたむきな、一時に一カ所に向けられた努力が大切であって、精力の二分三分は厳に戒められなければならない。〔中略〕
 要するに、平凡人はいついかなる場合も本業第一たるべきこと。本業専一たるべきこと。一つのことに全力を集中して押しすすむべきこと。これが平凡人にして、非凡人にも負けず、天才にも負けず、それらに伍してよく成功をかち得る唯一の道である。しかも職業上の成功こそは、他のいかなる成功にもまして、働くその人自身にも、またその周囲の人々にも最大幸福をもたらすものである。》(同書P204〜P206)


 本多静六氏については、先週木曜日発行の「日刊ゲンダイ」に書きましたので、以下に再録しておきますね。


★ 教養こそ成功への最短距離(なのかも) ★


 本多静六という学者がいた。父親の急死で少年時代に貧乏を極め、のちに林学の泰斗(たいと)となり、明治神宮や日比谷公園などを設計し、国立公園の生みの親として今も知られている。
 あまり知られていないか。
 ならば、この機会に知っていただければ幸いである。渋沢栄一からも厚い信頼を寄せられた本多静六氏は、林学博士としてよりも、むしろ巨大な財産をなした人として、今も投資家たちの間で密かに語り草となっている。


 昭和25年に刊行された『私の財産告白』(実業之日本社)が、先ごろ新装版として同社から復刻されたので、とても入手が容易になった。
 同書では、独特の蓄財法(どんなに貧しくても定期収入の4分の1と臨時収入の全額を強引に預金してゆく)と、専門性を活用した投資(山林や山地や株の投資)で、例えば2万円を5000万円にした経過などが、嫌味なく語られている。
 今時の若手成金社長と違うのは、実に謙虚なことだ。


 儲けた巨額の財のほとんど総てを、いとも簡単に、そして何度も、寄付してしまう。
 執着がない。
 楽天の三木谷社長らと異なるのは、よく失敗を知っていることだ。
《失敗は社会大学における必須課目である。私は、この大切な課程を経たものでなければ本当に成功(卒業)ということはないと考えている。〔中略〕私は一緒に事業を企て、仕事を始める場合、その友人がいままでどんな失敗をしたかをまず知る必要があると思う。》
 失敗を一度もしたことがない、と誇る三木谷氏より、釈放後に変化するかもしれない堀江氏に敢えて期待しておきたい。


 さて、本多静六語録には、こんなものもある。


《金儲けは理屈ではなくて、実際である。計画でなくて、努力である。予算でなくて、結果である。》


《人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も、名誉も、美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべきもない。〔中略〕職業を道楽化する方法はただ一つ、勉強に存する。》


 本多氏はまた、『人生と財産』(日本経営合理化協会出版局)で、要旨以下のような人生訓を述べていた。


 25歳から40歳までは、与えられた仕事に徹底精進し、一身一家の独立安定の基礎を築くこと。
 40歳から60歳までは、専門性を活かして社会に尽くすこと。
 60歳から70歳までは、周囲に恩返しをすること。
 運良く70歳以上まで生きられた場合は、山紫水明の温泉郷で晴耕雨読を楽しもう。


 そうした人生を可能にするためには、広く万巻の書物を読み現実に学び続けるほかない、と本多博士は遺言している。
 ホリエモンには、残念ながら、この教養が欠けていた。
          (「日刊ゲンダイ」2006年2月10日号より)

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