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佐々木正孝『アレ何?大事典』(小学館、1365円)

 いやあ、これはおもしろおかしい本です。


 たいていの人ならその姿形を知っているのに名前を知らない、というものは意外に多い。例えば「耳かきの先のふさふさしたぼんぼり」は「梵天(ぼんてん)」、「視力検査で目をおさえる黒い棒」は「遮眼子(しゃがんし)」、「ラーメンの麺をゆでてシャシャって湯きりするざる」は「テボ」……。


 アレだよアレ、というものは残念ながら、通常のレファ本では引くことができません。
 そこで、『アレ何?大事典』の登場です。この本の優れたところは、ジャンル別でイラストつきなので、名前を知らなくても探しやすく、しかも、たいていの日本人ならこのように説明するであろうフレーズが掲げられている小気味よさ、でしょう。


「ほら、トイレが詰まった時にパコパコするでしょ!?」(通水カップ)、「電話機についてる*ボタン」(スターボタン)、「自動改札、不備があったらこれが閉まります」(フラップドア)、「キッチンの排水溝の黒いゴム」(メーカーによって菊割れ、菊割り、菊割れゴム、菊割れフタ等)……。


 本欄での連載をもとに成った『使えるレファ本150選』(ちくま新書)にも書きましたが、もともと職人や業界内で使われてきた「ある部品」を示す用語(これ抜きには職人世界や専門的世界は成立しえません)のうち、汎用性の高いものが一般の辞書にも載るようになってゆくわけです。


『アレ何?大事典』に登場するのは、その存在はよく知られているわりには正式名称を一般の人が覚え
るほどには至っていないもの、ということになるでしょう。
 一般人なら「講演の時に壇上に置く水のセット」程度でも良いのですが、イベント業者なら、水差しの上にコップが載ったアレを「冠水瓶(かんすいびん)」と呼ぶわけですね。


「お相撲さんのまわしにさがっている縄のれんみたいなひも」は「さがり」、「トーナメント表の対戦を組む線」は「ヤマガタ(山型)」と言います。「さがり」は十両以上でないとつけられず、本数は体格によって異なるのですが、あれは必ず奇数本なのだそうです。「ヤマガタ」は、例えば「あいつとは別のヤマガタに入ったよ」というふうに使います。


 ♂は「マスキュラ」、♀は「フェミニン」と読みます。日本語ワープロでは、「マスキュラ」では出ませんが「おす」で出るはずです。日々とか代々木の「々」は「同じく記号」で、ワープロなら「おなじ」と入力します。々、ヾ、ヽ、ゝ、〃、仝なども「おなじ」で出ます…。
 ちなみに、上記の「…」は「三点リーダー」です。


「弓道の的の中心の黒丸」は、弓道2段の私もすっかり忘れていたのですが、アレは「図星」と言います。そう、「図星だろ」とか「図星をさされてうろたえる」の、あの図星ですね。


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