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静かなクリスマスイブ

 今年の12月24日は、私はひたすら闘病生活とリハビリを続けようと思う。全身の100カ所以上が壊れてしまった上に、二度と戻らない。ただし、脳の病気であるゆえ、それ自体としては戻らないものの周辺の脳細胞を新たに連れてくることによって体の機能や情報や声を出す、話をする、何かを読む、何かを書くという機能を新たに作り出すことは可能だというあまり気づかれていない側面こそ私には何より重大なことなのである。

 世界的に著名な免疫学者であった多田富雄さんも壮絶な脳梗塞と戦ったことは関係者の間ではよく知られている。93年に公刊された多田さんの『免疫の意味論』(青土社)は養老孟司氏の『唯脳論』(青土社)と同じように衝撃をもって読まれた一冊である。多田さんは発病後8カ月目に初めて手記を書き、「私は生きていた。それも、一夜にして半身は不随となり、声を失って」という名の文章で文藝春秋に発表された。その中の一文にこうある。

《私はまだ事の重大さに気づいていなかった。(中略)私は死の国を彷徨(さまよ)っていた。大丈夫だと話し掛けようとしたが、なぜか声が出なかった。嘘ではないか。何故だろうと思う間もなく、私は自分の右手が動かないことに気付いた。右手だけではない。右脚も右半身のすべてが麻痺していることが分かった。
(中略)運動機能の回復の兆しはなかった。腕はだらりとぶらさがったままだし、脚はまったく動かない。一生このままだろうが(中略)私は手足の麻痺が神経細胞の死によるものであり決して治るものではない、ということくらいよく理解していた。麻痺とともに何かが消え去るのだ。復活なんて絶対しない。回復なんて絶対にしない。(中略)もし機能が回復するとしたら、単なる回復ではない。それは、新たに獲得するものなのだ。新しい声は前の私の声ではあるまい。新たに一歩が踏み出されるのであるなら、それは失われた私の脚を借りて何ものかが歩き始めるのだ。》

 脳梗塞というのは一つ一つが大きく異なるとなるといわれるけれども、免疫学者の多田富雄さんが書いておられる症状を見る限り、私に起きてきたことと全く同じである。


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